激増する外国人観光客に備えて救急時の医療英語を知ろう!【第1回 ~自己紹介・傷病者の現状把握~】

2018年、訪日外国人観光客数は3110万人を突破しました。2013年に1000万人を超えて以来わずか5年間で約3倍に達しています。2020年には東京オリンピック・パラリンピック、2025年には大阪万博を控えており、さらにその数が増えることが予想されます。酷暑の中での熱中症や、骨折・捻挫などの怪我で病院を訪れる外国人患者も相対的に増えることが考えられますが、実際救急車が出動することもあるでしょう。

このコラムでは、そのような事態に備え、救急隊の皆様が現場に駆け付けた時に使える英語表現を中心に、会話例を順を追ってご紹介していきます。ホテルなど宿泊施設や公共交通機関にお勤めの方、あるいは観光案内業に従事している方にも、ぜひ覚えておいていただきたい医療英語フレーズです。

自己紹介の方法

救急車を呼ぶ状況は、一刻を争う状況です。自己紹介は最低限にし、過不足なく情報を聞き出す必要があります。
救急救命士と傷病者の会話の例を見てみましょう。
今回は、現場に到着した時の自己紹介と、患者の現状を訊く場面です。 最初に現状を把握することが大切です。

(※E: EMT/Paramedic 救急救命士 P: Patient 患者)
E: My name is Toshi. I’m a paramedic. 救急救命士のトシです。
Can you tell me what happened? どうしましたか?
P: My chest hurts and I feel nauseous. 胸が痛くて吐き気もします。

自己紹介がとてもカジュアルに感じられると思いますが、救急時はこれで十分です。
Can you tell me ~?は丁寧に言えばCould you tell me~?となります。状況に応じて使い分けることが大切ですが、救急時は短い言葉で情報を聞き出したいので、もっと端的にTell me what happened? と言っても不快に感じる人はまずいないでしょう。

hurtは痛む、傷むという意味で広く使われます。痛む場所を主語にして使います。また、I hurt my leg.のように「傷つける」という意味にも使われます。

I feel nauseous. 「吐き気がする」は、I have nausea.と言い替えることができます。nauseousは形容詞、nauseaは名詞です。I feel +形容詞I have +名詞という形を覚えましょう。

次回は症状についてもう少し詳しく訊いていきます。

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