The Telecom Act of 1996 led to the creation of hundreds of new phone companies which raised $600 billion from Wall Street to rewire America with new fiber optic systems.

あなたは、この英文をどのように「翻訳」しますか?
鉛筆の先を舐めなめ、英文とにらめっこ……そんな人は今どきいないでしょうけれど、いきなり「主語のSが……、これは確か……関係代名詞の何格だっけ……」と格闘し始めた方は、ちょっと待って。
  
「まずは、固有名詞を調べ、数字の裏をネットなどを使って、取りましょう」
翻訳者にとって、正確さは命。勘違いや原文のミスに引きづられた誤訳は許されません。まずは、翻訳しようとする原文の、関連知識や情報を集めたり、確認作業をしたりするのが、プロの翻訳者のイロハです。
  



『ビジネス一般文書翻訳』はこの、イロハから始まります。

では、調査・確認がすんだら、ハイオッケー。とにかくS・V・O・Cを見つけながら、読み進むのでしょうか?
しかし、大意を大きくつかめば正解できる、大学センター試験や公務員試験の、選択問題式の英文読解とは違います。
内容を正確に読みとる。しかも、それは次の段階で、正確かつ自然で読みやすい日本語の文章に変換できるものでなくてはなりません。
「英語は好き、でも日本語で書くのはちょっと……」とおっしゃる、英語が得意な方がしばしばぶつかる壁です。
 上記のような、長いセンテンスは分割しましょう。
(1) The Telecom Act of 1996 / (2) led to the creation of hundreds of new phone companies / (3)  which raised $600 billion from Wall Street / (4) to rewire America with new fiber optic systems. /


ただ、分割するだけではなく、それぞれを補ってみましょう。

(1) The Telecom Act was enacted in 1996.

 

(2) It led to the creation of hundreds of new phone companies. ( As a result, it created hundreds of new phone companies.)

 

(3) Hundreds of new phone companies raised $600 billion from Wall Street.

 


(4) The purpose was to rewire America with new fiber systems.


 

(1)~(4)の単純な文章の内容を理解するのは難しいことではないでしょう。それぞれの和訳を考えてみてください。

1996年電気通信法の施行により大量の電話会社が新設され、金融市場から6000億ドルもの資金を調達した。

ビジネス一般文書翻訳では、こうした作業を、自然に、時間をかけすぎずに行えるように訓練していきます。