2012年春より、ILCの医療英語コースに仲間入りした『医療英語コミュニケーション』講座。
外国人患者の対応に必要な“医療英会話”を学ぶ講座です。ドクターやナースをはじめ、医療事務を目指す方や介護分野に従事している方など様々なバックグラウンドの方が、将来の目標に向けて熱心に勉強しています。

本日は第18回目のレッスン。授業で学んだ表現や医療英会話を、ネイティブ講師を相手にロールプレイで実践するまとめの回です。その様子を皆様にレポートいたします!

今回は、第13回目から第17回目のまとめということで、以下の5種類の科目で実施。

救急患者(第13回)
整形外科(第14回)
会計(第15回)
処方箋と薬の説明(第16回)
歯科衛生(第17回)

受講生一人ひとりが、それぞれ、この5種類のロールプレイに挑戦しました。現役医療通訳者である小松真奈美先生に加えて、ロールプレイの相手役としてアメリカ人のブライアン先生にもレッスンにご参加頂きました。

【ロールプレイ】

①救急患者

役割 受講生→看護師/ブライアン先生→救急患者の家族
内容 救急で運ばれてきた患者の家族に、看護師が質問し、患者の状態や原因を把握する。
   
 喘息持ちの子供の親や、椅子から転倒した夫の奥さんなど、対応する患者の設定は、受講生ごとに様々。
 受講生は、「何があったのですか?」「それはいつからですか?」「飲んでいる薬やアレルギーはありますか」など患者の情報を得るために必要な質問を患者の家族に対して行いました。一通り質問が終わると、小松先生は受講生に、英語で聞き取った内容を日本語で確認。きちんと聞き取れていなかった部分や、間違って理解していた部分は、もう一度受講生が英語で質問し直して、情報を正しく理解できるまで続けました。
最後にブライアン先生からもフィードバック。“disease”と”illness“の意味の違いと使い方の注意点について解説頂きました。

 

②整形外科

役割 受講生→通訳/ブライアン先生→怪我をした外国人患者/小松先生→ドクター
内容 怪我をした外国人患者の診察の場面。ドクターと外国人患者のやり取りを通訳する。

通訳役の受講生は、医療通訳の現場に欠かせない“Pre-session”からスタート。
“Pre-session”とは、通訳を行う前に通訳者が、患者に対して「医師に直接話してください」や「あなたが話されることすべてを話された通り通訳します。医師に対しても同じように行います」など、患者が安心して診察を受けられるように注意事項などを説明することです。守秘義務についてもきちんと説明します。“Pre-session”のあと早速診察に。こちらも、受講生ごとに患者の症状の設定は様々。怪我の痛みに耐えながら診察を受ける患者役の様子に配慮しながら、素早くかつ、正確に一文一文訳していました。


③会計

役割 受講生→受付/ブライアン先生→外国人患者
内容 病院の会計窓口で、領収書についての説明と、次回の予約時間などを伝える。
  
 受付で、お支払い金額の説明をする場面です。日本の医療制度に馴染みのない外国人患者のために、領収書に書かれている点数の説明や、保険適用で30%の自己負担になることなども丁寧に英語で説明しました。ブライアン先生からのフィードバックでは、「3種類全て・・・」という表現について“Three of them”でも伝わるが、“All three“のほうがよりネイティブらしい表現であり自然であるという指導がありました。

        


④処方箋と薬の説明

役割 受講生→薬剤師/ブライアン先生→外国人患者
内容 薬局の窓口で、薬の受け渡しをする。薬の種類と飲み方を説明。
  
 どの薬を、いつ、何錠ずつ飲むかなどを細かく英語で説明。「1日3回」や「1回○錠」などの表現は、薬の種類ごとに説明が必要で、ブライアン先生からもよりネイティブらしい表現方法について細かくフィードバックが入りました。
また、日本では錠剤はシートのまま必要分だけ渡されるのが普通ですが、ブライアン先生の母国アメリカでは、錠剤は全てピルケースのような入れ物にいれて渡されるとのこと。このケースにはセーフティキャップがついていて、子供が誤って飲んでしまわないような配慮がされています。また液体の飲み薬の容器も、外国人にとっては馴染みの無いこともあるので、目盛りの説明やどのように使って服用するかの説明があったほうがより良いという、アドバイスがありました。

 



⑤歯科衛生

役割 受講生→歯科医/ブライアン先生→外国人患者
内容 歯周病の説明、または歯磨き指導の、どちらかを選び、患者に説明する。
   
歯磨き指導ではジェスチャーを入れながらよりわかりやすく伝えられるように、工夫していました。

全てのロールプレイ終了後、現在看護師で、実際に勤務先で外国人患者の対応をすることがあるという受講生から、「来院した外国人患者に対して、最初にどんな言葉がけをしてあげれば安心するのでしょうか。」という質問がありました。
  
 ブライアン先生からは、外国人が日本で病院へ行くという状況は、ただでさえ病気やケガで弱っている上に、書いてある文字も、話す言葉もわからず、私たちが想像する以上に不安に感じているので、小さなことや当たり前と思われることも細かく説明したり、理由を伝えてあげることが患者を安心させる為に一番必要なことだというアドバイスがありました。

 また小松先生からは、現役医療通訳者のご経験から、患者さんやドクターと話している際に、少しでもわからないことなどがあれば、決してそのまま流さず、きちんとわからないことを伝えて、もう一度言い直してもらったり、単語のスペルを書いてもらって辞書でしらべるなど、確実に情報を理解することが大切だという、とアドバイスがありました。

 外国人の方が安心して日本の医療機関を受診できるようになるには、語学力だけでなく、相手の国の文化を理解することや不安を取り除くための細やかな配慮も必要です。

「医療現場での英会話」と聞くと、少し難しく感じるかもしれませんが、医療関連の表現や語彙はレッスンでしっかり学習しますので、はじめは全く知らなくても大丈夫。TOEIC500点程度の英語力があれば、どなたでもスタートすることができます。

 無料の体験レッスンを実施します。実際のレッスンの様子を1時間で体験できます。この体験レッスンだけでも、実際に医療現場で使われている英語表現をいくつか学ぶことができます。是非奮ってご参加ください。

医療英語コース 無料体験レッスン


 『医療英語コミュニケーション』講座のカリキュラムや詳しい内容はILCのホームページ(http://www.ilc-japan.com/osaka/course/senmoneigo/communication)にてご覧下さい。