皆さんこんにちは。
ILC国際語学センターです。
「ILCの教室では実際どんな授業が行われているのでしょうか?」、「授業や学校の雰囲気がどんな感じか気になる!」という声にお応えして、各翻訳コースの授業の様子をレポートしていきます!

今回は、特許翻訳(バイオ・医薬)コースを紹介します。

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「特許翻訳(バイオ・医薬)コース」は、バイオ・医薬分野の基礎知識と特許翻訳 のスキルを並行して学ぶ講座です。授業は細胞生物学の講義翻訳演習の二本立てで構成されています。大学でも使用されて いるバイオ分野の入門書や科学誌、特許明細書(和文・英文) などを用いて、一人ひとりのニーズに合わせた指導をしていきます。専門知識がない人も、特許翻訳の初心者も、バイオ・医薬分野の特許翻訳を基礎から学ぶことができます。

今回は、日英翻訳の初回の授業についてレポートします。

今回の翻訳課題は、日本の食品メーカーが特許出願した乳製品およびその製品の製造方法に関する「特許請求の範囲(クレーム)」。これまで英日翻訳の課題に取り組んできた受講生の方々は、特許明細書を英文の構成で書くことにまだ慣れていません。なかでもクレームは、特許特有の表現で書くことが求められ、初学者には難しい課題となります。あらかじめ課題を仕上げて訳文を提出していた受講生たちも、英文の構成の仕方や訳語の選択で大いに悩んでいました。

特許翻訳(バイオ・医薬)コース

特許翻訳(バイオ・医薬)コース授業の様子1



授業では、受講生の訳例に 講評を加えるなかで、染谷先生は頻出する〈 …comprising : …… ;…… .〉の英文構成を丁寧に解説し、「請求項は一文で書く」というクレームの大前提 のルールを詳細に確認していました。

次に話題になったのが、「〜以上」の訳し方です。
この場合の正解は〈equal to or more than〉でしたが、なかには単に〈more than〉とした受講生の訳もあり、「特許明細書は、技術文書であると同時に法律文書です。特許権の権利範囲を定めるクレームは、特に厳密に訳しましょう」と先生から注意を促す場面もがありました。

特許翻訳(バイオ・医薬)コース授業の様子2

特許翻訳(バイオ・医薬)コース授業の様子2



英訳の学習者にとって、訳語の選択は最も頭を悩ますところ。その解決策として、インターネットを使ったフレーズ検索の実演も行われました。「何件ヒットするか、信頼のおけるサイトで使われているか、英語ネイティブが書いたものか、特許文書で使われているかを確認しましょう」と、リサーチの基本とも言うべきアドバイスが繰り返されました。

「科学の英語はシンプル。明細書の形式に慣れてしまえば、日英翻訳は難しくありません」。
初めて特許明細書の日英翻訳を経験した受講生たちも、染谷先生のこの言葉に確かな手応えを感じた様子でした。
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最後に、染谷先生に授業を教えるにあたってのポイントを聞いてみました。

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受講生にはそれぞれ長所や弱点があり、翻訳する時の癖も異なります。私が授業で心がけているのは、こうした各人の個性に目を向けて、最も効果的なアドバイスをすること。翻訳課題の添削も、可能なかぎり個人向けの添削を行いますので、復習などで最大限に活用してください。

特許明細書とは、技術文書であると同時に特許権を取得するための法律文書でもあります。翻訳者には発明の権利化を常に意識する特許技術者としての視点も求められます。本講座を通して、「翻訳のできる特許技術者」を育てていきたいと思っています。

〝バイオ〟や〝医薬〟というと、一見、難しい印象があるかもしれません。
ですが、この分野は技術の進歩がめざましく、過去に積み上げた専門知識に頼るより、新しい知識や情報を得ることのほうが大事な時もあります。そういった意味で、バイオ・医薬特許翻訳は、先入観のない柔軟な感性を持った人にこそ向いている仕事だといえます。

翻訳未経験者にも、他分野でキャリアを積んだ人にも、決して敷居の高い世界ではありません。
バイオ・医薬分野や特許に興味のある方は、ぜひ私の講座で特許翻訳の勉強を始めてみていただければと思います。

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4月開講に向けて、特許翻訳(バイオ・医薬) 体験レッスンを開催します!

<内容>
ノーベル賞を受賞した大隅教授が研究しているオートファジーの特許明細書を題材に、バイオ医薬分野の特許翻訳にチャレンジしてみます。

→特許翻訳(バイオ・医薬)の詳細はこちら

レッスン日
  • 3/11(土)11:00-12:30
  • 3/18(土)11:30-13:00

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