ILCでは、3月10日(日)に翻訳スペシャルDayを開催いたしました。
第二部のパネルディスカッションでは、ILC卒業生によるパネルディスカッションを開催いたしました。


パネラー:
Sさん(女性)…文系出身、ILCでは治験翻訳コース修了後、翻訳者としてデビュー。現在お2人のお子さんの育児と両立して治験翻訳をしている。

東さん(男性)…メーカーを定年退職後、ILCでは特許日英翻訳コース修了後、翻訳者としてデビュー。現在は特許日英翻訳者として活躍。



セミナーのなかからいくつか抜粋してここでご紹介いたします。

翻訳者を志した理由と、その分野を選んだ理由はありますか。


・Sさん…もともと英語が好きで、英語を使う仕事をしたいと思っていました。時間に縛られる会社の仕事がもともとあまり好きではなかったけれど、出産を経てさらにその思いが強くなり、育児と両立できる翻訳の仕事をしたいと強く考えるようになりました。分野は今後需要あり、伸びそうな分野だったからです。

・東さん…大手の電気通信会社の技術職を定年退職後、ILCの翻訳コースを受けて、特許翻訳の仕事をしています。もともと翻訳に昔から興味があったので、翻訳者を目指しました。

その分野の専門知識やバックグラウンドはありましたか?


・Sさん…専門知識やバックグラウンドは全くありませんでした。翻訳の勉強を始めてから、医薬の知識を身につけていきました。

・東さん…大学で電気工学を学んだことと、電気通信会社にいたのである程度電気・通信に関しての知識はありました。翻訳の仕事を続けていくうちに、他の分野も広がっていきましたね。ITや機械、自動車、専門外だった化学なども今はやっています。

トライアルを受ける際、準備や気を付けたことはありますか?


・東さん…気を付けたことは、トライアルを受けるさいどうゆう対応をとるかということですね。重要なのは翻訳会社の担当者から「この人は未熟だけれど伸びる、期待できる」という印象をもってもらえるようにすることだと思います。誰しも最初は新人なので、誠実で丁寧な回答をこころがけることが必要だと思います。

翻訳会社とのコミュニケーションで気を付けていることは?


・Sさん…すぐに返事することですね。翻訳会社さんからは、結構急ぎで依頼がくることがあるので、こちらの返事が遅いか私が翻訳できない場合、すぐ次の翻訳者さんを探さないといけなくなるんですね。できる場合もできない場合も、すぐ返事をするように心がけています。
もう1つは、自分の働く時間が限られているので、いただいた納期では厳しい場合が結構あります。ただそういう時でもただ単に「できない」というのではなく、「いつ頃までならできます」とお伝えして、こちらがやる気があるということをアピールしています。そうすると意外と翻訳会社の方で納期調整をしてくださる場合もあります。とくに私は新人なので、やる気があるというところを見せるようにしています。

これから翻訳者を目指す方へ一言お願いします。


・Sさん…勉強を初めて1年は、「ちゃんと翻訳者になれるのか」「仕事は来るのか」「どうやって勉強したらいいのか」など、不安とあせりで一杯でした。今はそれほどの不安は消えましたが、逆に忙しくなり勉強の時間を取るのが難しくなってきています。最初の頃は勉強やPCスキル向上のいい機会だととらえ、いずれ知識を活かす日が来ると信じて、地道に勉強してください。

・東さん…翻訳者に必要なことは常に向上心をもつことですね。自分が翻訳の仕事を楽しめなければ、仕事は続きません。ぜひ頑張って勉強してもらって、翻訳者さんになってもらえたらと思います。

★参加者の声★
・翻訳者として活躍されている卒業生の方がどのような過程を経てプロになったかについて伺うことができ、大変参考になりました。
・翻訳者の生の声を聞くことができとてもよかったです。
・翻訳者には日々の勉強が必要なんだなと感じました。