translation_trial プロの翻訳者になるためには、避けて通れないのがトライアル合格。
一般的な試験と違って、各会社によって難易度も内容も異なってくるトライアルですが、
いったい皆さんどうやって勉強をされてきたのでしょうか。

そんな皆さんの疑問にお答えすべく、翻訳コースを修了されてトライアルに挑戦・見事合格された方々へ、
合格にあたっての勉強方法などをお聞きしました!

第3回目は、特許日英翻訳コースを修了された方からです。


*特許日英翻訳コース修了生 S.Kさん(男性)*

トライアル受験に備えてどんな勉強をされましたか?


トライアルで先ず重要なのは形式なので、プロの書式や翻訳コメントの書き方などを勉強しました。次に重要なのは、特許翻訳の様々な約束事を知ることなので、翻訳演習や参考書から約束事を勉強しました。また、翻訳演習ではある程度の物量をこなすことが重要なので、特にクレームの翻訳演習をたくさんこなしました。

前職は何をされていましたか?


長年、電気メーカーの研究開発部門に所属していましたが、3年前に退職しました。特許翻訳の勉強を始めてから、約2年半が経過しました。

苦労した点、大変だと思う点を教えてください。


特許翻訳の世界では経験が重要視され、即戦力レベルでないと、トライアルには合格しないと思われます。たいていの翻訳会社では、トライアル受験の条件として、3~5年の実務経験が要求されています。このため、特許事務所に所属していない人が翻訳者としてこの世界に参入しようとすると、先ず入口で門前払いされるので、かなり高い参入障壁があります。したがって、A1で述べたように、プロレベルと認めてもらえるような努力を意識的にする必要があり、これが最も大変なことだと思いました。
ILCを経由したトライアルでは、実務経験がなくても受験できるので、このことはメリットと言えます。

これから翻訳の勉強を始めようという方に、メッセージまたはアドバイスをお願いします。


自分の経験で言うと、翻訳ツール(辞書類やインターネット検索術、翻訳ソフトなど)を身につけ、翻訳手順を確立することが重要だったと思われます。翻訳手順を確立することで、無駄なことで悩む必要がなくなり、翻訳速度も向上します。基本的な実力は、翻訳の勉強を始めた頃と大きな違いはないと思いますが、見かけの実力は手順を確立したことによってかなり上がったと思います。
私自身は、かなりの数のトライアルを受験し、その多くは不合格でした。これから翻訳の勉強を始めようとする人には、トライアルを恐れずに受験することをお勧めします。不合格になることで、結果的に、実力は上がります。また、翻訳会社によって、出題趣旨や判定基準も異なっていると思われ、相性の問題もないとは言えません。私の感覚では、トライアルに合格するようになるには、時間も含めてある程度の経験が必要であり、根気強く取り組むことが大切と思います。


ご協力いただきましてありがとうございました。
次回はメディカル翻訳コース修了生の声を掲載予定です!