プロの翻訳者になるためには、避けて通れないのがトライアル合格。
一般的な試験と違って、各会社によって難易度も内容も異なってくるトライアルですが、
いったい皆さんどうやって勉強をされてきたのでしょうか。

そんな皆さんの疑問にお答えすべく、翻訳コースを修了されてトライアルに挑戦・見事合格された方々へ、
合格にあたっての勉強方法などをお聞きしました!

第5回目は、契約翻訳コースを修了された方からです。

*契約翻訳コース修了生 M.Nさん(男性)*

Q1.翻訳会社のトライアル受験に備えてどんな勉強をされましたか?
A1.授業の復習を中心に勉強しました。授業ノート、先生のコメント、添削された訳文などを読み直し、理解を深めました。添削で指摘された箇所はノートにまとめて、同じミスを繰り返さないようにしました。
契約書はワンセンテンスが長い文が多いので、Word上で蛍光ペンやアンダーラインを使い、構文を視覚的に明確にしてから訳すようにしていました。訳文を作る作業を繰り返すうちに、自分なりの翻訳手順ができてきたように思います。また、個別カウンセリングを受け学習法のアドバイスを受けたり、トライアル直前には対策セミナーに参加したりしました。

Q2.前職は何をされていましたか?
A1.現在も学習塾で仕事をしています。翻訳一本で生活できるようになることを目標にしています。

Q3.苦労した点、大変だと思う点を教えてください。
A3.先生は、講座を通じて自然な日本語に訳すように強調されていました。これは契約書に限りませんが、英文を直訳すれば必ずぎこちない日本語になりますので、いかに自然な日本語にするかが翻訳の難しいところでもあり、面白いところでもあります。人を主体にする、主語を前に出す、長い文は切って分ける、といったテクニックを、課題を通じて少しずつ身に付けていきました。

Q4.フリーランスの1番の魅力を教えてください。
A4.組織に煩わされることなく、自分が好きなことを中心に仕事ができるということが1番の魅力です。その反面、常に自己研鑽を必要とする厳しい世界だと自覚しています。

Q5.これから翻訳の勉強を始めようという方に、メッセージまたはアドバイスをお願いします。
A5.契約書の翻訳には法律の知識が必要なので、自分には無理なのではとお考えの方もいらっしゃると思います。
確かに契約書の翻訳では、法律の知識が必要になます。私も学習を始めた当初は英米法や法律用語の使い方についてほとんど知りませんでしたので、概説書などを読んで知識を補うように努めました。
ただ、契約書の翻訳は法律の知識があれば、それだけで上手にできるというものでもないと思います。結局、翻訳の力は語学力、日本語力、専門知識、調査能力などの総合的な力で決まります。現在、法律の知識のない方でも、興味があれば、是非チャレンジしていただきたいと思います。

ご協力いただきましてありがとうございました!