ILC国際語学センターでは、2023年春学期開講 メディカル翻訳コースの募集を開始しております。
今回、メディカル翻訳1コース担当講師の吉田和男先生から、コースのねらいや目標に関するメッセージをいただきました。
本コースの受講をお考えの方々、本コースにご興味がある方々は、ぜひご参考になさってください。

医学の知識
このコースのねらいは、医学文献の翻訳演習を通じて、メディカル翻訳に必要なさまざまな知識とスキルを身につけることです。たとえば課題が肺炎の症例報告であれば、まず背景知識として、関連する肺の構造とはたらきについて学習します。次に、課題の症例報告の内容に沿って、身体診察、臨床検査、X線写真の読影など、臨床医学に関連するさまざまな事項について学習します。さらに、肺炎の診断を下すプロセスと、肺炎の原因に応じた薬や治療法についても理解を深めます。このように、実践的な症例から解剖生理学や病理学、臨床医学へアプローチするというのがコースの方針です。

翻訳力
メディカル翻訳コースのもう一つの目標は、もちろん翻訳の技術を磨くことです。翻訳と言えば英語力、英語力と言えばボキャブラリーと文法を考える人が多いと思いますが、それらに加えて忘れてならないのは文脈に応じた訳を考えることです。たとえば、A biopsy is performed to confirm the diagnosis. という英文の訳は、(1)「生検を行って診断を確認する」でも(2)「診断を確認するために生検を行う」でもどちらでもよさそうですが、どちらの訳がふさわしいかは文脈によって決まります。「どのようにして診断を確認するか」に関心がある状況では(1)の方が適当ですが、「何のために生検を行うか」を述べているのであれば(2)のように書くべきでしょう。このように、まったく同じ英文でも文脈によって違う日本語を書かなければならないことがあります。受講生の皆さんには、演習を通じてそのような翻訳の知識を身につけていただきたいと思います。

インターネット検索とPCスキル
翻訳の実務では、文献の背景や専門用語などを調べるためにインターネットでの検索は欠かせません。しかし、インターネット上には信頼できない情報も数多くあります。授業では、信頼できる情報にすばやくたどり着くための検索方法なども紹介します。また、PC内に蓄積した資料や過去の翻訳データを検索するためのフリーソフトの活用法など、翻訳実務に必要なPCスキルの習得もめざします。

添削課題
このコースでは、毎週英文200~300語程度の翻訳課題(宿題)に取り組んでいただきます。提出された翻訳は2~3日以内に添削して参考訳と共にお返しします。課題は専門的な医学文献ですが、バックグラウンドのない人も無理なく取り組めるように、前もって背景や専門用語について解説します。
プロの翻訳者になるためには、それなりの翻訳の経験を積んでいなければなりません。そのために、できるだけ多くの翻訳の機会を提供するのがこのコースのねらいです。

★吉田先生がご担当するメディカル翻訳1コースの詳細はこちら★
メディカル翻訳1コース:https://www.ilc-japan.com/tokyo/trans/medical

★<参加費無料>説明会随時開催中!★
お申込:https://www.ilc-japan.com/tokyo/trans/demo