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IELTS対策と勉強方法 第2回:スピーキング対策~IELTSのスピーキングテストとは?~

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第2回:スピーキング対策~IELTSのスピーキングテストとは?~

IELTS のスピーキングテストは、1人の試験官と受験者による1対1のインタビュー形式で行なわれます。やり取りは録音され、後で別の試験官によってもう一度評価されることになります。
テストは3つのパートからなり、さまざまな課題を通じて、自分がいかに英語を話せるかをアピールすることが大切です。これらの課題は、受験者が多様なトピックについて英語で適切に話すことができるかどうかを測るために設定されています。

パート1(4~5分):
試験官は受験者の個人的なことや日常的なことについて質問をします。
パート2(3~4分):
試験官が選んだトピックについて、1~2分間のスピーチをします。そして、これに関連した質問がされます。もし必要があれば、1分間準備をする時間が認められます。
パート3(4~5分):
パート2のトピックに関連したことについて、試験官とディスカッションを行ないます。受験者は自分の意見や好み、どうしてそのように思うのか、理由を説明することが求められます。

3つのパートはそれぞれ同じ得点配分となっていて、以下に示す4つの基準でそれぞれ同等に評価されます。
①流ちょうさと一貫性:途切れることなく会話することができるか。自分の意見を明確に表現でき、話に矛盾がないか。
②語い:話題に合った語いを、適切で正確に使用しているか。
③文法力と正確さ:幅広くさまざまな構文を用いているか。文法的な間違いをしていないか。
④発音:自然な発音をしていて、聞き取りやすいかどうか。

これら4つの基準で評価された得点は合計され、Band Score(1~9)で表示されます。Band Score は、スピーキングについては1.0刻みで評価され、Band 9 が最高スコアとなります。

●スピーキングテストで留意すべきポイント


 スピーキングのテストですから、早口で話したり、小さな声でもごもご話したりして、試験官が聞き取れない、理解できないといった状況を作るのは得策ではありません。
常に明りょうに話すよう心掛け、できるだけ多くの情報を試験官に伝達しましょう。答える内容が少ないということは、試験官からすれば、受験者のスピーキング能力を判断する材料が限られてしまうことになります。

IELTS のスピーキングテストに適切に対応するには、正確に運用すべきポイントをよく知ることです。次の点をしっかりと押さえ、テストに備えましょう。
①自分の意見や好みを表現できること
②理由を説明することができること
③ある考えに対して賛成・反対の意見を述べることができること
④人物や状況を説明することができること
⑤比較・対照ができること
⑥過去・現在・未来について話せること
⑦重要な語句にはストレス・アクセントを置き、抑揚を付けて話せること
⑧質問に使用された動詞の時制と同じ時制で応答できること
⑨多くの種類の副詞・形容詞・時の表現が使えること


●分からないことがあれば聞いても構わない


スピーキングテストでは、論理的になるように複文を多用しましょう。そうすれば、多少の間違いがあっても、得点することができます。また、創造的にできるだけ多くの種類の単語を使うようにしましょう。正確さを求めるあまり、話が途切れ途切れになってはいけません。
テストの中で分からない単語があったり、質問の意味がよく分からないことがあった場合には、試験官に説明を求めたり、質問を繰り返して言ってもらうことが可能です。助けを求めることもコミュニケーションの一つです。こうした場合にも、適切な英語を用いるようにしましょう。

例えば、
"I'm sorry, I don't know what ______ means. Could you please tell me?"
"Excuse me, what does ______ mean?"
"I'm afraid I don't understand the question. Would you mind saying it in a different way?"
などです。

ここでは質問された事柄に関して答えるようにしなくてはいけません。試験官が質問していることに答え、受験者の方でトピックを勝手に変えてはいけません。
試験官が "Thank you." と言ったら、これは「話すのを止めてください。次の質問に移ります」という合図です。

●語いを増やし、表現の幅を広げよう


今後このコラムの中で、特定のスピーキングタスクについて詳細に見ていく予定です。ここでは典型的な質問を例に取って、スピーキングテストでどのように応答すればよいかを見ていきましょう。
ただし、以下はほんの一例に過ぎませんので、違うトピックにも対応できるように、さらに勉強して、語いを増やしたり、表現の幅を広げたりしてください。
なお、太字部分は、各ポイントに対応する語句・表現です。

(1)意見を述べ、理由を説明する

質問:What is the public transport system like in your city?
回答例:Personally, I tend to think that the public transportation in my city is inadequate. The reason why I think so is that there are not enough trains and the buses are always late. As a consequence, many people, including myself, are not satisfied with the transport service that is provided.


(2)好みを述べ、理由を説明し、比較する

質問:Do you think it is better to live in the centre of town or out in the countryside?
回答例:If I had to choose between the two, I would much rather live in the city since there are far more things for me to do there. For example, there is much more entertainment, such as theatres, galleries, restaurants and bars, and there are significantly more employment opportunities. On the other hand, a country lifestyle would be attractive because of the peace and quiet, and the fact that there is much more nature there than in the city. However, the centre of town is the best place for me.


(3)意見を述べ、理由を説明する

質問:What do you think is the best way for a tourist to travel in your country?
回答例:While there are many ways to move around Japan, in my opinion the most enjoyable way is to use the train network. The reason why I think using trains is the best way is that my country, Japan, has very efficient services to all parts of the country. A further reason is that travelling by train allows tourists to meet many local people and to see the beautiful countryside. Because of these reasons, I believe train travel is the best way for a visitor to travel around Japan.

(4)過去・現在・未来について話す

質問:What sort of things do you read? Why?
回答例:Well, when I was younger, I used to read many comics because they were funny and easy to read. However, nowadays, I tend to read a lot of university articles because I am currently studying Art History at university. While this kind of reading is useful for my studies, I would prefer to be reading books, magazines or Internet sites I personally like. So, after finishing my studies, I will concentrate on these kinds of reading materials.


(5)質問文の動詞の時制と同じ時制で応答する

質問:How will people's working conditions be different in the future?
回答例:In my opinion, employment in the future will change a lot. People will be doing a lot more work from home since the Internet will be more popular and useful in people's working lives. Also, I think more people will have their own businesses and less people will be working in big companies. In the future, I hope to start up my own company, and I am planning to retire by the age of 55.


(6)多くの種類の副詞・形容詞・時の表現を使う

質問:What effect has the tourism industry had on your country?
回答例:Historically, tourism has not had a major influence on Japan. However, these days, more and more foreign people are visiting Japan to experience its beautiful nature and unique culture. This is a good thing because people can learn many important things about one another. Learning about other countries and teaching people about my wonderful country are the positive effects of tourism. I want to see this beneficial exchange continue in the future.


実際に質問されるであろうさまざまなトピックにも、本稿でポイントとして挙げた項目が応用できるように、不断の努力を怠らないでください。スピーキングテストに備えるには、とにかく英語を日常的に話すことです。

次回は、スピーキングテストの3つのパートについて、さらに詳細に見ていきます。

本記事の著作権はILC国際語学センターに帰属します。個人での利用を除き、転載・引用を禁じます。
※本記事は、2007年に週間Student Timesに掲載された記事を転載しております。現在とは問題形式が異なる場合がございますので、必ず最新情報はご自身でお調べください。

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IELTS対策と勉強方法 第1回:最近注目を集めている IELTSとは? 

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IELTS対策と勉強方法 第1回目:最近注目を集めている IELTSとは?

IELTS は、英連邦諸国(イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなど)への留学を希望する人(英語を母国語としない人)を対象とする英語運用能力試験のことで、International English Language Testing System の略です。一般に、北米に留学を希望する人は TOEFL® を受験し、英連邦諸国に留学する人は IELTS を受験します。ですが最近では、アメリカの多くの大学でも IELTS スコアによる出願を認める傾向にあります。英連邦諸国の大学も TOEFL® スコアによる出願を認めていますが、英語運用能力不足の理由で条件付合格(Conditional Offer)となった場合には、渡航後、英語準備コースの受講と IELTS の受験を求められるケースが多いようです。

冒頭で、IELTS は留学希望者を対象にしていると言いましたが、IELTS には Academic Module と General Training Module の2種類があります。大学及び大学院への留学を希望する人は Academic Module を受験します。一方、英連邦諸国への移住を希望する人や、高校(Secondary School)、職業訓練コース(Vocational Training Courses)で学びたい人は、General Training Module を受験します。本稿では、圧倒的に受験者が多い Academic Module に限り解説していきます。

IELTS は1989年に初めて実施されたテストで、以下に挙げる3つの機関によって運営されています。
1)University of Cambridge ESOL Examinations (Cambridge ESOL):「ケンブリッジ英検」をはじめ、英語学習者向け各種テストを提供している機関
2)IDP:IELTS Australia:オーストラリアの国際教育機関で、英語学習者向けに英語教授、試験、出版などの幅広い活動をしている機関
3)British Council:教育機会の提供と文化活動に関するイギリスの国際機関
IELTS のオフィシャルウェブサイトは http://www.ielts.org/ です。もちろんサイト上の情報はすべて英語です。IELTS を受験しようとする人は、日本語の情報だけに頼らず、必ずこの種のサイトから直接情報を収集してください。また、前記3つの機関のウェブサイトにも訪問することをお勧めします。


●TOEFLi®BTとの比較


IELTS と TOEFL® のいずれも、留学を希望する人が、入学後の学生生活を送るに足る英語運用能力を十分に持っているかを測るテストです。TOEFL® は、この学生生活を送るに足る英語運用能力をより正確に診断するテストを目指し、TOEFL® iBT に移行されました(TOEFL® iBT に関しては、週刊ST2006年4月から2007年3月の各月最終週号を参照)。結果として、このTOEFL®iBT の試験内容は IELTS に近づいた形になっており(IELTS の内容は次回以降で解説します)、日本人にとってタフな試験になったと言えるでしょう。このことは日本の英語教育に一石を投じているとも言えます。つまり、IELTS や TOEFL®iBT が測る英語運用能力を習得させる教育が、日本に存在するか否かが問われているのです。これは、中学や高校でのいわゆる「学校英語」のみならず、大学での教育、さらに言えば英語教育機関すべてに対して当てはまるのではないのでしょうか。

IELTS は、海外の試験会場の一部ではコンピューターで受験する CB IELTS が導入されていますが、日本では現在のところ、紙の試験(Paper-Based)のみです。
ここで、IELTS について理解を深めるため、TOEFL® と比較をしてみます。

IELTS、TOEFL® のいずれの試験も、Reading 部門のパッセージが長いものであることが分かります。英語圏の学部や大学院では、授業の予習のために、大量の読むべき論文、資料などが学生に対して課されます。したがって、受験者が高い「読む力」を持っているか否かを判定するため、IELTS も TOEFL® も長いパッセージを用意しています。

●IELTS を通して英語運用能力を高めよう


日本の英語教育は、アメリカ英語が主流ですので、イギリス英語とアメリカ英語の違いを心配されている方もいると思います。両者間には、スペル、表現、文法上の違いなどが確かにあります。しかし、IELTS においてアメリカ英語のスペルで解答しても採点に影響を与えません。ただし、同じ単語でイギリスとアメリカで意味が異なるものなどは知っておく必要があるでしょう。発音については、イギリス英語に慣れるしかありません。人によっては、音と音がつながって発音されるアメリカ英語よりイギリス英語の方が聞き取りやすい場合もあります。

TOEFL®iBT は、デジタル社会アメリカを象徴する試験であり、解答するためのコンピュータースキルやタイピングスキルも必要になってきます。一方、Paper-Based IELTS は、アメリカと比べるとアナログ的なものを多く残しているイギリス社会を象徴しているようにも思えます。
現在、IELTS の受験者は、中国で増えています。これには、要求されている TOEFL® スコアを取ったとしても、ビザの取得などでアメリカに留学するのが難しいという認識が、中国の人たちに広がっている事情があるようです。日本でも IELTS 受験のための勉強をしている人が増えているような傾向が見受けられます。

IELTS 受験に向けて勉強することは、「話す」「聞く」「読む」「書く」の4技能をバランス良く修得することにもつながると思います。留学を希望しているわけではない学生や一般の英語学習者にも、IELTS の勉強をお勧めします。

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※本記事は、2007年に週間Student Timesに掲載された記事を転載しております。現在とは問題形式が異なる場合がございますので、必ず最新情報はご自身でお調べください。

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