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主任教師John先生によるミニレッスン:【第8回目】 Spaghetti Sentences

皆さんこんにちは。
ILC国際語学センターです。

John先生のミニレッスン、第8回目は「Spaghetti Sentences」についてです。
スパゲッティセンテンスとはどのような意味でしょうか?早速見てみましょう!

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I love eating spaghetti, and I know many of my students love spaghetti too. How do I know? They like to make spaghetti sentences when writing. These are sentences that go on and on and on until it becomes very difficult to follow the logic or to understand the main point. Just like a bowl of spaghetti that has many intertwining strings, a spaghetti sentence has too many different kinds of phrases and clauses.

Often these sentences are grammatically correct, but to determine the correctness and the main point, it takes a few minutes to check if all of the many phrases and clauses fit correctly. What invariably happens is that the spaghetti sentence (also called “run-on sentence”) becomes structurally broken; something is missing or incorrectly placed making the output or the main message inaccurate, ambiguous, not understandable, or illogical.

The following is a typical example:
"Decisions that impact the profitability of a company in regards to trading with other countries from around the world should be unique reflecting nations` environments and conditions and require their own decision."

To fix this kind of writing, some tips are listed below:
1.Find the core elements of the sentence, the main subject and the main verb, to see if the sentence is structurally sound.

2.Count the number of words in the sentence and make sure it is not over 25 or 30 words. More specifically, count the number of conjunctions, words that join two sentences such as "and", "or", "because", etc., used in the sentence. If you have more than two or three of these in the sentence, you are asking for trouble.

3.Try to limit the number of relative, noun, and adverbial clauses in the sentence. In short, minimize the number of "mini-sentences" within the sentence.
For example, "The book on the table that was given to me by my father when he was working as an account executive in the firm that recently went bankrupt even though they received investment advice from a banker who seemed nice enough... ." can go on and on as long as you like, even before you get to the main verb in the sentence! You can clearly see that just because you can nest many clauses within clauses doesn`t mean that you should do it. Try restricting yourself to a maximum of three or four clauses.

We can apply these rules to discover the real meaning of the typical example sentence given earlier.
"Decisions" is the subject of the sentence; "should be" is the verb.

We have too many "and" words. It`s confusing. In "... reflecting nations` environments and conditions and require...", the first "and" joins two nouns: "environments and conditions". This is okay. The 2nd "and" introduces the 2nd independent clause of the sentence: "...and require their own decision." Note that the subject of the verb "require" is missing, but that is okay because the implied (not written) subject is the main subject "Decisions", a compound subject.
The remaining parts of the sentence, “... that impact the profitability of a company…”, "in regards to trading with other countries from around the world", and "reflecting nations` environments and conditions" are modifiers.

So, now let`s reconstruct the core elements of the sentence to see what we have:
"Decisions… should be unique… and require their own decision."

Now, put in the implied subject from the start of the sentence into the 2nd clause after the "and":
"Decisions… should be unique…, and decisions require their own decision."

You can see clearly that this 2nd clause is illogical: "..., and decisions require their own decision."
Be careful when you think you are being expressive by writing long spaghetti sentences; you`ll only get heartburn!

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※John先生が開発したグローバルリーダー向け英語プログラムは、様々なビジネスシチュエーションに特化した英語スキルに焦点をあて、論理性と説得力のある英語力を養成します。
詳細はこちらからお問い合わせください。

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担当教師

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John Mukts (ILC企業研修主任)

日本での英語教授歴20年以上、数々の企業にてビジネスパーソンやグローバルリーダー向け英語研修を担当。ILCの主任教師としてプレゼンテーション・ミーティングなどのビジネスに焦点をおいたGLLT(Global Leadership Language Training)コース開発やオリジナルテキスト開発に従事。

掲載情報:イカロス出版社『通訳・翻訳ジャーナル2017年秋号』にILCが掲載されました!

今回は、証券金融翻訳コース担当講師である菅原栄先生と現在フリーランスの証券金融翻訳者として活躍しているILC卒業生のインタビューが掲載されています。是非ご覧になってみてください♪

詳細はこちら>>http://tsuhon.jp/2017_aut_ilctokyo

また、ILCでは9/16(土)に『証券金融翻訳者を目指す人のためのセミナー』を開催します。「金融翻訳って難しそう」、「金融翻訳が自分に向いているのか知りたい」と金融翻訳に興味のある方は、ぜひご参加ください!

9/16(土)10:30~13:00
『証券金融翻訳者を目指す人のためのセミナー』

◆第1部 翻訳者として必要な証券金融知識~入門編~◆
日常的に出てくる様々なトピックを、証券金融の観点から捉えなおし、金融知識を学習します。

【トピック例】
・年金問題
・最近話題になった企業の経営破たん
・世界中で話題になっている銘柄FANG※(ファング)とは? など

◆第2部 翻訳会社とILC卒業生に聞く証券金融翻訳の実際◆
ILC卒業生向けにトライアルをご提供いただいている株式会社インターブックス松元社長と金融分野の翻訳者として活躍しているILC卒業生の方をお招きし、下記内容についてお話いただきます。

◆第3部 実務翻訳プログラムの紹介


◆セミナ-の詳細・お申込はこちら◆
>>http://www.ilc-japan.com/tokyo/archives/18958

◆菅原先生が担当する証券金融翻訳コースの詳細はこちら◆
証券金融翻訳コース

掲載情報:Japan Timesが運営している『通訳翻訳キャリアガイド2018』にILCが掲載されました!

英字新聞のジャパンタイムズがおくる「通訳・翻訳業界総合ガイド2018年度版」に、
ILC国際語学センター東京校が掲載されています。

今回は、ビジネス和文英訳講座担当講師のアントニー先生と受講生の方にインタビューをご協力いただきました。
アントニー先生は、ビジネス和文英訳を学ぶ上で使えるコツや授業で教えるポイントなどについてお話しています。
ぜひご覧になってみてください!

詳細はこちら>>
通訳・翻訳キャリアガイド2018のHP

【修了生・在校生限定】 特許翻訳チェッカー・コーディネーター 求人情報

【修了生・在校生限定】 特許翻訳チェッカー・コーディネーター 求人情報

【募集職種】
・特許翻訳コーディネーター
・特許翻訳チェッカー

【仕事内容】
コーディネーターは、クライアントと翻訳者・チェッカーとを結び、
質の高い翻訳をクライアントに納品する仕事です。
特許翻訳チェッカーは、英語に翻訳された特許明細書等のチェックをしていただきます。

【勤務形態】
契約社員/正社員/パート・アルバイト

【勤務時間】
9:00~19:00 の時間帯で応相談。(最低 5 時間以上)

【待遇 】
23万円以上(経験を考慮して決定)
パート・アルバイトの場合は、1300 円~(経験を考慮して決定)

【勤務地および最寄り駅】
九段下駅徒歩1分、神保町駅 徒歩7分

【各種手当・ 福利厚生】
健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労働保険

【選考方法】
書類選考、適正検査、面接

お申込は、「お問合せ・資料請求」フォームより必要事項をご記入の上、「お問合せ内容」にご希望のお仕事をご記入下さい。
追ってご連絡いたします。

受講生の声を更新しました。

ILCの各プログラム受講生・卒業生の方から、受講中の感想をいただきました!
受講を検討されている方は、ぜひご覧ください。

>>メディカル翻訳初級コース受講生 塚本真理子さん
>>メディカル翻訳初級コース受講生
>>メディカル翻訳上級コース受講生 梅澤佳枝さん
>>ビジネス和文英訳講座・英語プライベートレッスン卒業生 坂部由紀子さん

【修了生・在校生限定】 役員秘書(通訳・翻訳含) 求人情報

役員秘書(通訳・翻訳含) 求人情報

【勤務形態】
正社員

【仕事内容】
※役員のスケジュール管理・書類管理・ファイリングを含む秘書業務全般
※グループ法人内の著書の原稿確認、出版社との調整、在庫管理
※英文診断書作成・外国人患者の通訳(月に数回程度)
※日本語・英語医学論文の校正・投稿・資料等の管理

【給与】
給与:月額300,100円~(年齢・経験による)
賞与:年2回(7月・12月)

【勤務地】
新宿区
JR市ヶ谷駅より徒歩7分・東京メトロ市ヶ谷駅5番出口より徒歩1分

【出勤日、勤務時間】
・月~金 9:00~18:00

【必要な経験等】
大卒以上、TOEICスコア880点以上
(英語医学論文に対する読解力必要)

お申込は、「お問合せ・資料請求」フォームより必要事項をご記入の上、
「お問合せ内容」にご希望のお仕事をご記入下さい。
追ってご連絡いたします。

7/25(火)開講!◆ビジネス和文英訳講座

今年1月から開講し、大好評をいただいているビジネス和文英訳講座。

4月開講クラスは、今週授業が終了しました。

受講生の方の感想をご紹介します。

・辞書には書いていない文章表現の丁寧さのレベル、訳落としを避ける翻訳方法は、大変役立った。
・些細な疑問、今まさに疑問に思ったことをその場で解決することができた。


毎回の授業では各課題の英訳についてだけでなく、英文作成全般についてもご質問いただけます。
先日のプレスリリースの回の授業では、「英訳しづらい日本語」について受講生さんと先生がディスカッションされました。

例えば、「~の普及」という英訳表現。
皆さんだったらどのように英訳されますか?

アントニー先生からは次のような解説がありました。
「widespread useという無難な英語は存在します、これは全く問題ないです。
でもthe popularity ofという英語も使えます。意外に感じるかもしれませんが、PR資料ではpopularityを使ったほうがいいでしょう。」

それ以外にも、「~との絆」、「義理」、「~との交流」と一般的な表現の英訳表現から、
「忖度」など最近の時事に関連する英訳表現についてもクラスで話題になりました。

短期間で英語力を上げたいという方におすすめです。ぜひみなさんのご受講をお待ちしています!

◆講座の詳細◆
開講日:7/25(火)19:00-21:00 (全10回)
受講料:71,000円(教材費・添削代・税込)
入学金:10,000円(税込)
詳細はこちら

【修了生・在校生限定】 メディカルライティング(紹介予定派遣) 求人情報

メディカルライティング(紹介予定派遣) 求人情報

【勤務形態】
紹介予定派遣

【仕事内容】
医薬翻訳 QC Checker
① 治験関連文書のQC Check業務: 80%
社内レビュー後文書のQC Check業務
誤訳、訳抜け、誤記等のテクニカルな検出

② 翻訳会社納品物の確認業務(英文和訳、和文英訳)・その他サポート業務: 20%
翻訳作業は翻訳会社に依頼、納品文書の確認業務
※社内顧客との調整含む

【時給】
・派遣就業時 1,800円/時~
・直接雇用後(契約社員) 時給制 年収340万円~

【勤務地】
各線品川駅徒歩2分

【出勤日、勤務時間】
・月~金 週5日
・9:00~17:30(休憩時間60分)

【必要な経験等】
・メディカル業界経験者 かつ TOEIC800点以上

【就業開始日】
・7/3(月)

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★合格者にきく!翻訳トライアル合格への勉強方法とは?第13回 メディカル翻訳コース修了生★

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プロの翻訳者になるために避けて通れないのが翻訳会社の採用試験であるトライアル合格。 トライアルは、翻訳会社によって難易度や内容が異なりますが、みなさんどのように学習してきたのでしょうか。
そんな疑問にお答えすべく、ILCの翻訳コースを修了後トライアルに挑戦し合格された方々へ、合格にあたっての勉強方法などをお聞きしました!

第12回目は、メディカル翻訳初級・上級コースを修了生Kさんです。

*メディカル翻訳初級・上級コース修了生 Kさん(女性)*

翻訳会社のトライアル受験に備えてどんな勉強をされましたか?


ビジネス一般については特に準備の勉強はしておりませんでした。
日常的に英語のビジネスメール等に触れる機会があるため、それらが勉強になったと思っております。

コースで学んだことや課題の添削などは、トライアル受験のさいどのような点が活かされましたか?


メディカル翻訳コースだけでなく、一般ビジネスにおいても役立つ点がたくさんありましたので、活かされたと感じます。
具体的には、原文の内容を過不足なく、誰もが分かるように訳すことです。

トライアル受験にあたり、課題や授業の配布資料は役に立ちましたか。


色々なジャンルの課題を訳すことで、応用力が身についた様に感じます。
毎週の課題提出は、締め切りまでに翻訳を完了・提出する訓練にもなりました。
また、先生からのフィードバックにより、自分の訳文のクセを発見することが出来ました。

トライアル受験のさいに気を付けたことはございますか?


訳文を見ていただく前に失格とならない様、提出時の規定を守ることに細心の注意を払いました。

トライアルを受験されて、難しさや大変だと思う点がありましたら教えてください。


締め切りまでに日数があり、また、会社によって課題の量に差があるため、提出するまでのスケジュールを立てるのが困難でした。

これから翻訳の勉強を始めようという方に、メッセージまたはアドバイスをお願いします。


ファイルの圧縮など、PCの操作に思わぬ時間を取られる事もあったので、規定を良く読み、余裕をもって準備することを強くお勧めします。

Kさん、ご協力いただきましてありがとうございました!

■ILCの実務翻訳プログラムについてはこちら■
>>実務翻訳プログラム

■Kさんが受講されたメディカル翻訳コースについてはこちら■
>>メディカル翻訳初級コース

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シリーズ 翻訳会社の経営者に聞く求められる翻訳者像はこちら
受講生・卒業生限定の 英語が活かせるお仕事

主任教師John先生によるミニレッスン:【第7回目】Among と betweenの違いについて

皆さんこんにちは。
ILC国際語学センターです。

John先生のミニレッスン、第7回目は「Among or between?」についてです。

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A common question students have is about the difference between the words among and between. In the previous sentence, the word between was used, and since there were only two words to be compared, we can conclude that the word between is used for two items of comparison. This is common. We use between when we want to express a more specific relation to things and have them considered as individual and usually equal entities.

What about three words? Should we not use between and use among for three words or items?
For example, let`s compare (1) "What is the difference between the words impeccable, immaculate, and ineffable?" and (2) "What is the difference among the words impeccable, immaculate, and ineffable?" The first sentence sounds natural even though we have a list of three words. In addition, the verb "is" indicates that there is only one difference. Between the three words, there should be three differences taken individually paired. The question should be "What are the differences between the three words, impeccable, immaculate, and ineffable, taken individually as two-word pairs?"

Using the word among also sounds good here: "What are the differences among the words impeccable, immaculate, and ineffable?" However, by definition, among is the best word to use when referring to things collectively and imprecisely: "... among the crowd of people." By specifying the actual words and the specific relationships as discrete entities of these 2-word pairs, the word between is probably best to use in the 3-word example.

Then, an example from an English language textbook was given: "I deal with problems of relations between staff." The word staff is a collective noun indicating a group, or the members of the group. Should not the word among be used? Well, now we see the way that these two words can be used almost interchangeably in many cases. Between is used in more general cases too, but not always.
Listen to the way native English speakers use these words, among and between, and follow your communicative instincts.

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※John先生が開発したグローバルリーダー向け英語プログラムは、様々なビジネスシチュエーションに特化した英語スキルに焦点をあて、論理性と説得力のある英語力を養成します。
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担当教師

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John Mukts (ILC企業研修主任)

日本での英語教授歴20年以上、数々の企業にてビジネスパーソンやグローバルリーダー向け英語研修を担当。ILCの主任教師としてプレゼンテーション・ミーティングなどのビジネスに焦点をおいたGLLT(Global Leadership Language Training)コース開発やオリジナルテキスト開発に従事。

授業ルポ 「ビジネス文書和文英訳講座」 5回目:挨拶文・スピーチ原稿

皆さんこんにちは。
ILC国際語学センターです。

「ILCの教室では実際どんな授業が行われているのでしょうか?」、「授業や学校の雰囲気がどんな感じか気になる!」という声にお応えして、各翻訳コースの授業の様子をレポートしていきます!

今回は『ビジネス文書和文英訳講座』をご紹介します。

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「ビジネス文書和文英訳講座」は、挨拶文、スピーチ、プレスリリース、パワーポイント資料などを題材に、ビジネス文書の英訳の基本となるスキルを習得する講座です。

課題文の分量はA4用紙で1枚程度。
毎週火曜日に授業があり、受講生には、日曜日までに課題をメールでご提出いただきます。

 

第5回目の課題は、HPやパンフレットなどに掲載される企業社長の挨拶文でした。

 

課題の解説に入る前に、まずトニー先生から注意が促されました。
「ビジネス文書には、絶対に間違えてはいけないものがあります。会社名、人名、日付、金額などは何度もチェックしましょう。これは翻訳だけでなく、英文作成の場合も同様です。」

「また、今回の課題文の中には、”佐藤”という名前が入っていました。昔はsatohとhを入れるのが主流でしたが、現在はSatoとhを入れないのが一般的になっています」といった、固有名詞の表記法などについても言及されました。

続いてトニー先生は、「今回の課題文にはトリックが仕掛けてあります。原文に誤りがあるのに気づきましたか」と受講生に尋ねました。

課題文を注意深く読むと、確かに「2000年でおよそ30億トンであったものが、2015年度で60億トン」とあり、「年」と「年度」が混合して使われています。

「このように原文の単語が統一されていない原稿はよくあります。この場合は、『年度』のほうにfiscal yearを入れて区別すればよいでしょう。原文の間違い探しをするのも翻訳者の責任です。
数字などが合わないときは、発注元に確認するようにしましょう」と実務に臨む際の心がまえについても伝えていました。

 

トニー先生の授業は「生徒参加型」とするために、各受講生への課題の添削は講義当日には配布せず、授業の翌日にメールで返却します。
授業では、指名された受講生がホワイトボードに各々の訳文を書き、それを先生が講評・解説する形で進みます。

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『明らかに』という日本語原文に対し、数名の方が『certainly』や『obviously』を使っていましたが、いずれとも話し言葉で少し砕けた印象を感じます。この場合は『clearly』という表現がよいでしょう」

「『1958年の創業以来、弊社は…』という原文で、『創業』の英訳として『establishment』や『starting』を使われていました。『beginning』は少し弱い表現です。『establishment』は悪くはありませんが、ビジネス文書でよく使われるのは、『our founding』ですので覚えておくとよいでしょう」

「『59年にわたって』という原文に対して『59 long years』という表現を使った方がいました。この英訳のニュアンスは皆さんどのように感じますか。ぱっと見るといいような表現に見えますが、ネイティブから見ると『59年は長かった』というようなネガティブなニュアンスを受けます。この場合は、『over the past 59 years』などの訳が適切です」

「私もofを選びますが、この場合はfromでも可能ですね」

日本人の方が悩む冠詞や前置詞の使い方訳文の微妙なニュアンスの違い英語らしい自然な表現の仕方など、英語ネイティブ翻訳者ならではの要点を押さえた貴重なアドバイスが続きます。
受講生の方は自分の訳文と比べながら、先生の解説に熱心に耳を傾けていました。

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先生からの講評が終わった後に訳例を配布し、今度は課題の文語調の硬い挨拶文をスピーチ原稿に書き換えるというアクティビティーをおこないました。

「このような作業は実は一番大変です。クライアントの中には、英語が得意でない方も多くいらっしゃいます。
スピーチ原稿は、発音しづらい単語や難しい表現をいかにやさしい話し言葉に書き換えるか。これが重点になります。」

トニー先生が実践している英訳プロセスの説明も加えながら、ブレーンストーミングを取り入れた学習になっており、とても印象深い内容になりました。
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受講生の方の感想を一部ご紹介します。

・ビジネス文書はなるべく簡潔な英文であらわすことや、カジュアルさの度合いを意識して文章を作るなどの原則を説明していただけたことが、とても役立ちました。

・先生からの説明をただ聞くという形ではなく、生徒の訳を直しながら解説し、さらに訳例を最後にいただけるという形だったので、英訳の際にどこで引っかかりがちかという自分の傾向がわかりました

・様々なビジネスシーンで使える表現方法、kindやvery muchなど原文にない語を加えるワンランク上の英訳方法口語と文語の英語表現の違いなど、3か月とは思えないほど多くの事を学べました。とても充実した講座です。

・クラスの雰囲気全体も和やかで、自分の失敗をおそれずに参加しやすい空気だったことがありがたかったです。とくに第10回のパワーポイント課題は、受講生それぞれの特徴も面白く、発表形式だったことが非常に有意義でした。

・トニー先生が授業中にも添削の中でも、「いいですね」とコメントして下さったり、次に活かせるようなアドバイスを下さったことがモチベーションにつながりました。

 

★講座情報★
トニー先生が担当する「ビジネス文書和文英訳講座」は、今回ご紹介したように、議事録やビジネスレター、パワーポイントなどの各種ビジネス文書を題材に、和文英訳のノウハウを伝授します。
授業はすべて日本語で解説しますので、翻訳を始めて学習する方でもご受講いただけます。
ぜひご受講をお待ちしております!

講座の詳細はこちら>>
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「文系のためのバイオ医薬系特許/論文翻訳入門シリーズ」 3 【気になるバイオ医薬特許用語】antidote, antitoxin

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文系のためのバイオ医薬系特許/論文翻訳入門(3)「【気になるバイオ医薬特許用語】antidote, antitoxin」

解毒薬(解毒剤)のことを “antidote” と言います。
antidote”に似た表現として、“antitoxin”  があります。

antidote(解毒薬)は、毒物に作用して毒物の毒性作用を中和する薬物です。
アンモニアなどの化学物質のみならず、ミルクや活性炭までもが該当します。

一方、antitoxin(抗毒素)は、抗体です。岩波生物学辞典によれば、
「特定の毒素またはそれを不活化したもの(トキソイド)を抗原としてウマなどの動物を免疫して作らせた通常は毒素を中和する能力のある抗体」です。

“antidote” を語源から解説された文章を紹介します。

『「与える」の doは人間の病気についても活躍します。例えば人間の体の中に毒物が入って細胞を殺してしまうと人間は最終的には死んでしまいます。
この毒物にanti-(反対して)抵抗力を「与える」のがantidote (解毒剤)です。antidoteも与える量によっては単なる「毒」にもなってしまいます。

まずどの位の量の薬を与えるか注意が必要です。そこでdose (服用量)が薬などを「与える適量」を表して使われます。』
(引用: asahi.com 【語源で探る英単語】 http://www.asahi.com/english/weekly/0311/05.html)

解毒剤に関係した特許を調べていたところ、「うっかりミス」して翻訳されたものを発見しました。
特定の分野に精通した翻訳者は、一字一句丁寧に確認しないで、うっかりミスします。
チェッカーや技術者までもが数値や抜けのミスには慎重であっても「翻訳者のうっかりミス」に気がつかない場合があります。
”antidote” (解毒薬) と “antibody” (抗体) 、視覚的に英単語を間違えて捕らえてしまう場合があるようです。
その例を紹介します。

米国出願されたものを翻訳して日本で出願された特許出願公開第2017-043632号(http://patent.conceptsengine.com/p/2017043632)です。

発明の名称では、「抗体」となっていますが、要約書では、「解毒剤に関する」となっています。
気になるので米国出願されたものを調べてみます。

調べ方は、日本国出願されたものに記載されている「優先権主張番号60/976,343」と「優先主張国 米国」から、
Google検索で、「US 60/976,343 patent 」で検索すればヒットします。(https://www.google.ch/patents/US9023796)

タイトルは、”Antidotes for factor XA inhibitors and methods of using the same” となっています。
“Antidotes” を “Anibodies” と読んでしまったのでしょう。

「発明の名称」や「従来技術」での「うっかりミス」は取り返しがつきますが、権利範囲を特定する「特許請求の範囲」の「うっかりミス」は致命傷になります。
“antib—“ や“antid— “で始まる単語、きちんと最後まで読んで意味を確認しましょうね。

antibacterial  抗菌性
antibilious     抗胆汁症の
antibiotic      抗生物質
antidepressant   抗鬱薬
antidiabetic       抗糖尿病薬
antidiuresis        抗利尿

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★講座情報★
染谷先生が担当する「特許翻訳(バイオ・医薬)コース」では、ブログの中にも紹介したように、バイオ・医薬分野の実験方法の解説も行います。
バイオ・医薬分野の学習を初めてされる方でもご受講いただけます。
ぜひご受講をお待ちしております!

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