What's new  ILC国際語学センター東京

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主任教師John先生によるミニレッスン:【第7回目】Among と betweenの違いについて

皆さんこんにちは。
ILC国際語学センターです。

John先生のミニレッスン、第7回目は「Among or between?」についてです。

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A common question students have is about the difference between the words among and between. In the previous sentence, the word between was used, and since there were only two words to be compared, we can conclude that the word between is used for two items of comparison. This is common. We use between when we want to express a more specific relation to things and have them considered as individual and usually equal entities.

What about three words? Should we not use between and use among for three words or items?
For example, let`s compare (1) "What is the difference between the words impeccable, immaculate, and ineffable?" and (2) "What is the difference among the words impeccable, immaculate, and ineffable?" The first sentence sounds natural even though we have a list of three words. In addition, the verb "is" indicates that there is only one difference. Between the three words, there should be three differences taken individually paired. The question should be "What are the differences between the three words, impeccable, immaculate, and ineffable, taken individually as two-word pairs?"

Using the word among also sounds good here: "What are the differences among the words impeccable, immaculate, and ineffable?" However, by definition, among is the best word to use when referring to things collectively and imprecisely: "... among the crowd of people." By specifying the actual words and the specific relationships as discrete entities of these 2-word pairs, the word between is probably best to use in the 3-word example.

Then, an example from an English language textbook was given: "I deal with problems of relations between staff." The word staff is a collective noun indicating a group, or the members of the group. Should not the word among be used? Well, now we see the way that these two words can be used almost interchangeably in many cases. Between is used in more general cases too, but not always.
Listen to the way native English speakers use these words, among and between, and follow your communicative instincts.

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※John先生が開発したグローバルリーダー向け英語プログラムは、様々なビジネスシチュエーションに特化した英語スキルに焦点をあて、論理性と説得力のある英語力を養成します。
詳細はこちらからお問い合わせください。

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担当教師

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John Mukts (ILC企業研修主任)

日本での英語教授歴20年以上、数々の企業にてビジネスパーソンやグローバルリーダー向け英語研修を担当。ILCの主任教師としてプレゼンテーション・ミーティングなどのビジネスに焦点をおいたGLLT(Global Leadership Language Training)コース開発やオリジナルテキスト開発に従事。

証券金融翻訳コース担当講師が教えるワンポイント金融翻訳レッスン2

証券金融翻訳コース担当講師が教えるワンポイント金融翻訳レッスン2


証券金融翻訳コースを担当している、菅原栄先生によるワンポイント翻訳レッスン第2弾になります。
今回はもう少し長文に挑戦してみましょう。
1回目はこちらからご覧いただけます。

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【課題2】


Dell: Share Gain Story Intact

■ Dell Meeting Focuses on Share Gains
We just met with Dell management. Talks focused on growth opportunities outside the US. We believe Dell can gain more shares this year, as it is only in the early stages of receiving benefits from disruptions at competitors.

■ Expecting Solid Overseas Growth Again
We believe Dell can continue to benefit from share gains in overseas markets and our model assumes 20% revenue growth in both Europe and Asia-Pacific in 2Q06.
It seems that Dell's model is scaling well in these regions.

■ Valuation: Target $43
Our target price of $43 is based on 20x our FY07 EPS estimate excluding interest income and adding back cash.



実際に翻訳してみましょう。



【ありがちな訳】クリックすると訳文が表示されます。
デル: シェア獲得への強固なシナリオ
■ シェア獲得に着目した会談
デル社経営幹部陣との会談を実施した。内容としては、アメリカ以外の市場での成長を中心に話し合った。我々は、デル社が本年さらなるシェアを獲得できると考えているが、競合他社の不利な状況からデル社が享受できる恩恵は未だ初期段階でしかない。

■ 海外市場における再び堅調な成長の期待
デル社は海外市場においてシェア獲得による利益を出し続けるだろう、また2006年第2四半期では欧州とアジア太平洋両方で20%の収益成長モデルを描いている。デル社のモデルが、これらの地域において非常によく機能していることを示している。

■ 評価額: 目標株価 43ドル
当社のデル社の目標株価43ドルは、2007年度1株当たり利益(EPS)予想に20を乗じて、金利収入を除き、キャッシュを組み入れている。



解説


あまりにも謹厳実直、翻訳調の文章では、だれも最後まで読んでくれず、訳文はその目的を達することができません。正しく理解できたからといって、いつも適切に表現できるとは限りません。求められているのは、メッセージがすっと頭に入ってくるような、読み手重視の文章です。かといって、ことおカネに関するものですので、安易に意訳してしまうと、誤訳が大きなトラブルにつながりかねません。また、万一の場合には、昨今の不祥事にみられるように、法令が厳しく適用されますので、要注意です。


今回は、証券会社による企業調査レポートの表紙部分を想定した課題です。有名銘柄ともなれば、数十社ものアナリストがフォローしており、レポートはひっきりなしに刊行されます。そのなかで、投資家の手に取ってもらうための競争は激烈です。この戦いの最前線となるのが、レポートの顔ともいうべき表紙なのです。いかに要点を簡潔かつ明確に伝えるか、他社との見解の違いを強調するか、知恵を絞る筆者の気持ちになって訳文を磨きあげることが求められます。事実およびその一般的な解釈と筆者の意見をどれだけ鮮やかに対比するかが、訳者の腕の見せどころです。


まず見出しの部分、社名Dellに続く、Share Gain Story Intactは見出し独特の表現で、Share gain story (is) intactの略です。そのあとに続く文でWe believe Dell can gain more shares this yearとあるように、市場シェアを拡大するだろうという意見(story)に変化はない(intact)ということで、強気を保つアナリストのマニフェストです。ここを「強固なシナリオ」としてしまったのでは、そうした姿勢があいまいになってしまいます。


次に、We believeという表現です。調査レポートはアナリストの個人的な意見ではなく、その属する(証券)会社の見解を示すものですから、「我々」ではなく「当社」、「思う」のではなく「見る」「見解である」などとしなくてはいけません。また、reciving benefits from disruptions at competitorsを「競合他社の不利な状況からデル社が享受できる恩恵」とするのは、腑に落ちません。Competitors are disrupted and Dell is benefiting from itと展開して考えたいところです。


さらに、(We) are modeling revenue growth of 20%とDell's model is scaling wellにおける「モデル」の意味の違いが重要です。前者は筆者からみた当社の(収益予想)モデルであるのに対し、後者はデルの(ビジネス)モデルです。その違いを明確にしなければ、文意が誤解される恐れがあります。特に、スケール・メリットを活かしたパソコン直販で大成功したデル・モデルの特徴は、ひとつの時代を画したものであり、知っておきたいところです。こうした知識は一朝一夕では身につきませんから、常にアンテナを立てて、世の中の動きに注意を払いましょう。


最後に、アナリストにとってもっとも重要な見解である目標株価が示されています。ここは株価の水準ばかりでなく、その算出根拠までを読者に理解してもらわなくてはなりませんが、上記「ありがちな訳」の訳文では、計算式があいまいで、再現可能性に欠けています。



【訳例】クリックすると訳文が表示されます。
デル: 市場シェア拡大見通しは変更なし

■ デル経営陣との面談は市場シェア拡大が話題の中心
当社ではデル経営陣と面談、話題は米国外での成長機会が中心だった。競合他社の経営問題がデルに有利に働き始めており、
本年はさらなる市場シェアの拡大が可能と見る。

■ 第2四半期も海外市場シェア拡大を予想
当社ではデルの海外市場シェアは拡大、業績に好影響が続くと予想する。
当社収益モデルでは、2006年度第2四半期につき、欧州、アジア太平洋の両地域においてそれぞれ20%の売上増を想定している。
規模の経済による効果の大きい直販モデルをもとに、デルは同地域で売上、利益ともに順調に伸ばしている。

■ 株価評価: 目標株価43米ドル
当社の目標株価43米ドルは金利収入を除いた2007年1月期予想1株あたり純利益(EPS)を20倍したものに、1株当たりの正味現金を加えたものである。



実務翻訳というと、各分野の専門性から、ついつい個別の用語や知識に気を取られがちですが、顧客の業務、さらにはさらにその先にある社会に直結した金融文書の場合、翻訳を「商品」としてとらえ、「分かりやすさ」という付加価値を創造していくことも、とても重要なポイントだということがご理解いただけたでしょうか。

そして、そのために必要になるのは、知識や経験ばかりではなく、原文のニュアンスを読み洩らさない注意力、読者のハートをつかもうとする熱意でもあるのです。

翻訳の仕事は、顧客があってはじめて存在するものです。これから翻訳家を目指そうという方には、ご自分の訳文を読んでくださる顧客を常にイメージして、その満足度(customer satisfaction)を高める努力を怠らないようにすれば、おのずと道は開けるでしょう。

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◆菅原先生が担当する証券金融翻訳コースの詳細はこちら◆
証券金融翻訳コース

3/18(土)「メディカル翻訳トライアル対策セミナー」を開催しました。

3/18(土)「メディカル翻訳トライアル対策セミナー」を開催いたしました。
ILCの団体トライアルにもご協力いただいている、翻訳会社の方にご講演いただきました。


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セミナーの前半では、最近の動向や受講、翻訳者に求められるスキルについてお話いただきました。の後半では、いくつかの例題を基に、トライアルの採点のポイントや重視する点、トライアルの解答以外にどのような点を評価するのか、など、具体的な解説がありました。実際に問題作成・採点担当者の方のお話を聞く貴重な機会となり、参加者の方も熱心にメモをとっていらっしゃいました。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。


<参加者の方の感想>
「トライアルにおいて課題外で見られていることについても話を聞くことができてよかった」

「トライアルで重視する点やアピールポイントなど、知らないことを教えてもらうことができた」

◆体験レッスンの参加を逃した方必見!◆
翻訳コース体験レッスンビデオ上映会を開催します。
これが最後のチャンスとなりますのでお見逃しなく!
>>http://www.ilc-japan.com/tokyo/trans/demo#tuika

証券金融翻訳コース担当講師が教えるワンポイント金融翻訳レッスン1

証券金融翻訳コース担当講師が教えるワンポイント金融翻訳レッスン1


こんにちは、ILC国際語学センターです。
今回は、証券金融翻訳コースを担当している菅原栄先生による、ワンポイント金融翻訳レッスンをご紹介いたします!
金融翻訳に興味のある方は、ぜひ挑戦してみてください。

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実務翻訳の分野において、証券金融翻訳のいちばんの特徴はなにかと考えると、翻訳された文章が多くの、場合によっては不特定多数の目に触れる可能性が高いということでしょう。

契約書や特許明細書などは当事者以外が目にすることはまれでしょうが、調査レポート、目論見書、営業資料など証券に関わる文書は、その作成に関わる人たちの枠を超え、広く読まれ、利用されるものです。
こうした幅広い層を対象とした訳文にもっとも求められるものは、一読して文意が正確に伝わる「分かりやすさ」です。

では、どうすれば、分かりやすい訳文を生みだすことができるのでしょうか。論より証拠、いくつかの課題の具体例をみながら、ご一緒に考えていきましょう。


【課題1】


An individual’s stock ownership represents his proportionate ownership, or equity, in a company. If a company issues 100 shares of stock, each share represents identical 1/100, or 1%, ownership position in the company.


実際に翻訳してみましょう!



【ありがちな訳】クリックすると訳文が表示されます。
個人の株式保有は会社における彼の比例所有権、すなわち株主資本を表す。
もし、会社が株式を100株発行したら、各株はその会社の同一の100分の1あるいは1パーセントの所有権を表す。



解説


この原文に、さして難しい語句や表現は見当たりません。しいていえば、proportionateとequityぐらいでしょうか。これとて辞書さえ引けばいくつも訳語が出ていて、その中からもっともらしいものを選ぶのに、さほど苦労はないでしょう。最後に、それらの語句を少し工夫して繋げてやれば翻訳は一丁上がり。上記の訳文はそうした成果物の典型ですが、一読したあと、なにかモヤモヤしたものが残るのはなぜでしょう。


それはずばり、著者の真意が伝わってこないからです。翻訳でまず必要とされるのは、原文を正しく理解することです

ここでいう「正しい理解」とは、“正しい理(すじみち)に沿って、原文を解きほぐしていく”といった意味です。理解できないものを、表現し、伝達できるはずがありません。

この文で理解のポイントとなるのは、stock、equityそしてshare(s)です。これらの単語には、いずれも「株(式)」という訳語がしばしば与えらますが、その本来の意味は、相互に関連しつつも、それぞれ視点の異なるものです。これらを深読みしなければ、著者の言わんとするところは把握できません。辞書に載っている訳語の字面を撫でるのではなく、その言葉の持つ意味の深層に迫らなければならないのです。


それでは、先の3つの単語それぞれについて見ていきましょう。


最初のstockですが、これは蓄えたもの、そして、会社では、次なる飛躍の元手として蓄えたおカネ、いわゆる資本のことです。洋風の基本ダシをsoup stockといいますが、こちらは、おいしいひと皿を生みだす元手、料理の「資本」ですね。
したがって、stock ownershipとは、会社の出資者としての証しである出資証券を保有することという意味になります。

次に、equityについて考えてみましょう。

会社(company)は、“ひとが会して(集まって)、社(グループ)を結成する”のですから、出資者は複数いるのが普通です。すると、お互いの立場を決めておかないと後のちのモメゴトの元。このとき、近世の市民社会は、王権も地位も身分も関係ない平等を求めました。そこで、貴族でも商人でも、出資者たるものは、出資金額に応じた立場、すなわち、proportionate ownershipが保証されました。いわば、おカネのもとでの平等です。そうした立場をまた、衡平法(equity)にもとづく持分、equity ownership、つづめてequityというようになりました。

そして、出資者それぞれのequityを簡単に表すために、彼らの出資金合計である資本金(capital stock)を等分したひと切れ(share)を株式(a share of stock)と呼びならわすようになったのです。

資本主義と株式会社は表裏一体です。その株式会社の中核をなすのが、株式であり株主なのです。
短い一文ですが、こうした深淵な意味が込められているともいえます。


【訳例】クリックすると訳文が表示されます。
投資家にとって、出資証券である株式を保有するということは、その持ち株数に比例した会社の所有権、すなわち持分を手に入れることを意味する。
もし、ある会社の発行済株式数が100株だったとすると、1株あたりの持分は均等で、会社全体の100分の1、すなわち1パーセントである。


◆菅原先生が担当する証券金融翻訳コースの詳細はこちら◆
証券金融翻訳コース

2017/3/11(土)「最新海外ニュースから時事英語・ビジネス英語を学ぶ!」を開催しました。」を開催しました。

2017年3月11日、『グローバルに活躍するビジネスパーソンのための実践ビジネス英語セミナー』を開催しました。

セッションAは「最新海外ニュースから時事英語・ビジネス英語を学ぶ!」を開催しました。
担当教師のジョン・ムクツ先生は、数々の企業にてビジネスパーソンやグローバルリーダー向け英語研修を20年以上担当した教授経験豊富な先生です。

「最新海外ニュースから時事英語・ビジネス英語を学ぶ!」の様子

「最新海外ニュースから時事英語・ビジネス英語を学ぶ!」の様子



前半では、ニュース記事の読み方のポイントとテクニックについてお話いただきました。
後半では、実際に習ったテクニックを使い、「プレミアムフライデー」や「日本の晩婚化」について記事を読むアクティビティーをおこないました。

実際の業務やビジネス現場では英文読解に多大な時間をかけることはできません。限られた時間の中で正確に読み解くためには、ただ英文を読むのではなく、「Gist(要点)」が何かを推測したうえで読むことが必要だとジョン先生からお話がありました。

「最新海外ニュースから時事英語・ビジネス英語を学ぶ!」の様子2

「最新海外ニュースから時事英語・ビジネス英語を学ぶ!」の様子2



<参加者の声>
・「学習方法を教えてもらい役に立った」
・「本日聞いた内容を早速実践してみたいと思います」

本セミナーで紹介したグローバル・リーダーシップ・ランゲージ・トレーニング(GLLT)コースは、ロジカルディスカッションやミーティング、プレゼンテーションなど様々なビジネスシチュエーションに特化したビジネス英語プログラムです。
論理性と説得力のある英語力を養成します。

詳細はこちら>>グローバル・リーダーシップ・ランゲージ・トレーニング(GLLT)コース

【翻訳コース授業ルポ】特許翻訳(バイオ・医薬)コース

皆さんこんにちは。
ILC国際語学センターです。
「ILCの教室では実際どんな授業が行われているのでしょうか?」、「授業や学校の雰囲気がどんな感じか気になる!」という声にお応えして、各翻訳コースの授業の様子をレポートしていきます!

今回は、特許翻訳(バイオ・医薬)コースを紹介します。

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「特許翻訳(バイオ・医薬)コース」は、バイオ・医薬分野の基礎知識と特許翻訳 のスキルを並行して学ぶ講座です。授業は細胞生物学の講義翻訳演習の二本立てで構成されています。大学でも使用されて いるバイオ分野の入門書や科学誌、特許明細書(和文・英文) などを用いて、一人ひとりのニーズに合わせた指導をしていきます。専門知識がない人も、特許翻訳の初心者も、バイオ・医薬分野の特許翻訳を基礎から学ぶことができます。

今回は、日英翻訳の初回の授業についてレポートします。

今回の翻訳課題は、日本の食品メーカーが特許出願した乳製品およびその製品の製造方法に関する「特許請求の範囲(クレーム)」。これまで英日翻訳の課題に取り組んできた受講生の方々は、特許明細書を英文の構成で書くことにまだ慣れていません。なかでもクレームは、特許特有の表現で書くことが求められ、初学者には難しい課題となります。あらかじめ課題を仕上げて訳文を提出していた受講生たちも、英文の構成の仕方や訳語の選択で大いに悩んでいました。

特許翻訳(バイオ・医薬)コース

特許翻訳(バイオ・医薬)コース授業の様子1



授業では、受講生の訳例に 講評を加えるなかで、染谷先生は頻出する〈 …comprising : …… ;…… .〉の英文構成を丁寧に解説し、「請求項は一文で書く」というクレームの大前提 のルールを詳細に確認していました。

次に話題になったのが、「〜以上」の訳し方です。
この場合の正解は〈equal to or more than〉でしたが、なかには単に〈more than〉とした受講生の訳もあり、「特許明細書は、技術文書であると同時に法律文書です。特許権の権利範囲を定めるクレームは、特に厳密に訳しましょう」と先生から注意を促す場面もがありました。

特許翻訳(バイオ・医薬)コース授業の様子2

特許翻訳(バイオ・医薬)コース授業の様子2



英訳の学習者にとって、訳語の選択は最も頭を悩ますところ。その解決策として、インターネットを使ったフレーズ検索の実演も行われました。「何件ヒットするか、信頼のおけるサイトで使われているか、英語ネイティブが書いたものか、特許文書で使われているかを確認しましょう」と、リサーチの基本とも言うべきアドバイスが繰り返されました。

「科学の英語はシンプル。明細書の形式に慣れてしまえば、日英翻訳は難しくありません」。
初めて特許明細書の日英翻訳を経験した受講生たちも、染谷先生のこの言葉に確かな手応えを感じた様子でした。
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最後に、染谷先生に授業を教えるにあたってのポイントを聞いてみました。

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受講生にはそれぞれ長所や弱点があり、翻訳する時の癖も異なります。私が授業で心がけているのは、こうした各人の個性に目を向けて、最も効果的なアドバイスをすること。翻訳課題の添削も、可能なかぎり個人向けの添削を行いますので、復習などで最大限に活用してください。

特許明細書とは、技術文書であると同時に特許権を取得するための法律文書でもあります。翻訳者には発明の権利化を常に意識する特許技術者としての視点も求められます。本講座を通して、「翻訳のできる特許技術者」を育てていきたいと思っています。

〝バイオ〟や〝医薬〟というと、一見、難しい印象があるかもしれません。
ですが、この分野は技術の進歩がめざましく、過去に積み上げた専門知識に頼るより、新しい知識や情報を得ることのほうが大事な時もあります。そういった意味で、バイオ・医薬特許翻訳は、先入観のない柔軟な感性を持った人にこそ向いている仕事だといえます。

翻訳未経験者にも、他分野でキャリアを積んだ人にも、決して敷居の高い世界ではありません。
バイオ・医薬分野や特許に興味のある方は、ぜひ私の講座で特許翻訳の勉強を始めてみていただければと思います。

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4月開講に向けて、特許翻訳(バイオ・医薬) 体験レッスンを開催します!

<内容>
ノーベル賞を受賞した大隅教授が研究しているオートファジーの特許明細書を題材に、バイオ医薬分野の特許翻訳にチャレンジしてみます。

→特許翻訳(バイオ・医薬)の詳細はこちら

レッスン日
  • 3/11(土)11:00-12:30
  • 3/18(土)11:30-13:00

体験レッスンお申し込み

主任教師John先生によるミニレッスン:【第6回目】Progressive Verb Phrasesについて

皆さんこんにちは。
ILC国際語学センターです。

John先生のミニレッスン、第6回目は「Progressive Verb Phrases」についてです。

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Progressive Verb Phrases
A common problem Japanese students encounter when expressing themselves in English is the use of the progressive (or continuous) tense. Remember, in English the progressive tense form of verbs indicates a present ongoing action at the time of speaking such as “working on a project” or a future short-term action, such as “going out for dinner after work”.
In both cases, the idea of short-term or temporary condition is important; some kind of ending of the event is expected in a relatively short period of time. This is probably the main source of the problems Japanese students have with using this correctly in English. There is a wider application of this tense in Japanese. In English, other verb phrases would be used in some cases.
Typical problems include the use of the progressive for long-term, or regular, activities, such as living somewhere, working at a company. Students often say, “I am living in Tokyo…” or “I am working at Company Name…”. These should be expressed in the present tense in English: “I work at ILC.” or “I live in Kamakura.” Because these are regular ongoing activities, not short-term, project-like, activities.
Another common problem is the use of the progressive to indicate a long-term state resulting from an event such as knowing (or learning) something, or being married. Students might say, “I am knowing …(something)…” rather than the required present tense “I know…(something)…”, or “I am marrying…” to describe the state of their situation, rather than “I am married…” using the predicate adjective form. Similarly, for ownership, “Are you owning a car?” should be “Do you own a car?”, again using the present tense.
All the above situations can be expressed in Japanese using the “…ている” form, which is the progressive form, so naturally, the student might assume the same English verb phrase form for similar situations.
Sometimes this type of problem does not reveal itself because the situation fits reasonably well into the requirements of progressive tense usage. For example, from the example above about living somewhere, I always need to check if that place is a company dormitory. If it is, then the progressive is okay because we think that at some point in the not-so-distant future, they will move out of the dormitory, so it can be considered a short-term activity.
Similarly, in ice-breaking situations, the student will often ask a visitor to the company “Where are you living?” This is where the problem changes from verb tense, which is correctly used, to word choice. The question should be “Where are you staying?” indicating a short-term activity—probably at a hotel with the word “stay” and not the long-term with the word “live”.

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次回は2月下旬に更新予定です。

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主任教師John先生によるミニレッスン:【第5回目】「wish」と「hope」の違いについて

皆さんこんにちは。
ILC国際語学センターです。

John先生のミニレッスン、第5回目は「wish」と「hope」の違いについてです。


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Wish and Hope

The words wish and hope have two slightly different meanings. Many aspects of these words are the same: They can be verbs or nouns, and they generally look to the future for some event to come to be. When should we use wish and when should we use hope?
If you think that there is a likelihood or expectation of the future event coming true, then hope is used. Hoping is more like a reasonable expectation of success for an achievable target, or for an aspiration.
If there is a lower likelihood of the future event coming true, then wish is used. Wishing is more like saying a prayer where divine intervention is needed in a hopeless situation (We do not say “wish-less” situation), or the event happening by a magical event. A wish is also used in an impossible situation such as a regret for a past action.
Some examples will help here:
“I hope I pass the exam next week.” (I have studied very hard and expect to pass.)
“I hope to become a successful business person.” (I went to business school and have started a company.)
“I wish for world peace.” (Spoken by a person who thinks world peace is difficult to achieve.)
“I hope for world peace.” (Spoken by a person who desires world peace and considers it achievable.)
“The man wishes he hadn`t bought that expensive car.” (The man bought the car on impulse and now regrets it.)
Another expression, “to hope against hope”, is to hope for something when you know that it will probably not happen, possibly indicating the time for wishing to begin. When all hope is lost, we begin wishing. For example, “We're hoping against hope that they survived the crash.”
However, a change in the expectation of the hoped-for event leads to a deferred hope: “Hope deferred makes a heart sick” (Bible, Proverbs xiii. 12).
Similarly, for wishing, “Be careful what you wish for because it might come true!” is a common expression that implies that the divine intervention, if attained, may not be beneficial for you.
We often say “I wish you well.” This is like “I pray for your well-being.”, not “I hope you well”. We assume that the future is a little uncertain.
On the other hand, for a more immediate situation such as a telephone call or in an email message, we can say “I hope you are well.”, not “I wish you are well.” This implies that there is a higher expectation of the person being well because you are actually talking to him or her at the moment, and chances are that the person is well.
After looking over these examples, I hope you will be able to use these words effectively, and I wish you well in your communication activities.



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次回は1月下旬に更新予定です。

※John先生が開発したグローバルリーダー向け英語プログラムは、様々なビジネスシチュエーションに特化した英語スキルに焦点をあて、論理性と説得力のある英語力を養成します。
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「あなたならどう英訳しますか?」第4回目:「次回はぜひとも弊社のこだわりの新商品を紹介させていただきます。」の訳例

「あなたならどう英訳しますか?」。
日本語特有の表現や英訳しづらい日本語を題材に、英語ネイティブ翻訳者が和文英訳のコツを紹介していきます!

第4回目の課題は「次回はぜひとも弊社のこだわりの新商品を紹介させていただきます。」

皆さんどのように英訳されましたか?それでは訳例を見てみましょう!

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訳例:
1. I would like to describe one of our most distinctive new products at our next meeting.
2. I would very much like to present one of the products that we are most proud of at our next meeting.
3. I would like to offer a brief description of our unique new product at our next meeting.
4. I look forward to talking about one of our unique new products at our next meeting.


一つ大事なポイントは「introduce」「紹介する」という言葉は全ての訳例文に登場していません。
不可能ではないですが、「introduce」はどうしても「人を紹介する」「新しい考えやアイディアを紹介する」という使い方が主流です。
今回の課題文に対する英訳で「introduce」を使うことはどうしても少し不自然に感じますが、意味は十分に伝わります。

課題文3つのポイント:
1.「ぜひとも」を独立した言葉にすべきか、それか他のところで強調する言葉を入れるか。

「ぜひとも」を定訳のように「独立した言葉」として英訳するのは難しいですね。
それより「ぜひ~したい」という風に考えて、「I would like to」または「I would very much like to」を使うことを勧めます。
「I would very much like to」のほうが強い「意気込み」を表現しますが、「I would like to」だけでも十分に丁寧な表現です。

2.「こだわりの」という日本語独特の表現をどう英訳するのか。(直訳できるかそれに近いニュアンスの英語はあるのか)
「こだわりの」に相当するぴったりの英語もありません。
そうなりますと「こだわりの」に近い意味合いを持つ言葉を探す必要があります。
訳例では「distinctive」「特徴的」、「unique」「独特の」を使用していますが、
2つめの文では「that we are most proud of」「我々が最も誇りに思う」を使っています。
少し長い表現になっていますが、意外と日本語の「こだわりの」に近い意味を持っています。
英語の発想では「自社の商品を誇りに思う」という考え方はごく普通です。
(日本語では「プライド」が少し否定的なニュアンスを含む場合が多いですが、英語の「proud of~」はほとんどの場合肯定的な意味合いを持っています)

3. 全体を通して、相手が会社役員ということで、丁寧な英語が求められます。
特に最後の「紹介させていただきます」のところに注意しましょう。(「丁寧すぎる」にならないように注意する必要があります)


これは少し難しいところですね。日本語の「~させていただきます」は簡単に英訳できません。
「Please allow me to~」という表現はもちろんありますが、「許可を得たい」といったニュアンスがあるため相手は多分違和感を覚えると思います。
そして、実は「Please...」といった依頼の表現が実はあまり丁寧ではありません。
「~をしてください」のようなニュアンスだけで、丁寧とは言えない表現です。
一つの手は「With your permission,...」を使うことは可能ですが、丁寧すぎるという印象を与える確率が高いと思います。
従って、「I would very much like to」に留まっていいと思います。

訳例文1~3は全部丁寧な英語ですね。
例文4は少し砕けた言い方ですので、よく知っている中がいい人以外は使わないほうがいいと言えます。
また、例文4に関して「させていただきます」というニュアンスは弱いですね。

ダメな英訳例:
1. I’m going to describe our particular new product at our next meeting.
まず、「I’m going to」はこの場合上から目線の言葉になります、つまり相手の立場に配慮していない印象を与えます。
「こだわりに」として「particular」という英語が検索サイトによく出ますが、「特定の(個別の)」という意味で、
今回の「こだわりの」というニュアンスは含まれていないと思います。

2. I plan to discuss our special new product at our next meeting.
「I plan to」は上記の「I’m going to」と同じく、あまり丁寧と言えません。
自分の主張だけが表現され、相手の立場に配慮していない。

「こだわりの」を「special」と英訳するのは絶対ダメとは言えません。
場合や状況によって「意訳」として採用することは可能ですね。
しかし厳密な英訳を考えると「special」「特別な」の意味は「こだわりの」と少し違います。

3. I want to describe our fantastic new product at the next meeting.
「I want to」は正直あり得ないですね。一般的に「I want to」が子供が使うような英語です。
直接的かつ強い言葉ですね。大人なら「I would like to」に切り替えましょう。
また、「fantastic」は「凄い・実に素晴らしい」というニュアンスで、かなり砕けた言葉です。
取り引き相手の役員には使えません!(宣伝用のパンフなどでの使用は可能です)

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「あなたならどう英訳しますか?」第4回目:「次回はぜひとも弊社のこだわりの新商品を紹介させていただきます。」

英語ネイティブ翻訳者の先生が解説する「あなたならどう英訳しますか?」。
日本語特有の表現や英訳しづらい日本語を題材に、和文英訳のコツを紹介していきます!

第4回目の課題です。

【ビジネスシチュエーション】

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あなたは先日取引相手の会社で自社の商品のプレゼンテーションを行い、感触がわりと良かったという印象を受けました。
そこで、あなたは別の会議を設定し、新商品を売り込みたいと考えており、次の文を外国人役員に送りたいと思います。

「次回はぜひとも弊社のこだわりの新商品を紹介させていただきます。」

ポイントは3つ:
1.「ぜひとも」を独立した言葉にすべきか、それか他のところで強調する言葉を入れるか。
2.「こだわりの」という日本語独特の表現をどう英訳するのか。(直訳できるかそれに近いニュアンスの英語はあるのか)
3.全体を通して、相手が会社役員ということで、丁寧な英語が求められます。
特に最後の「紹介させていただきます」のところに注意しましょう。(「丁寧すぎる」にならないように注意する必要があります)

正解とコメントは年明け1/5(木) にILCブログに掲載予定です。
あなたの英訳を楽しみにしています!

主任教師John先生によるミニレッスン:【第4回目】EmpathyとSympathyの違い

皆さんこんにちは。
ILC国際語学センターです。

John先生のミニレッスン、第4回目はEmpathyとSympathyの違いについてです。

早速John先生の解説を見てみましょう。

Empathy or Sympathy?


In the GLLT Presentation course, we often say you need to empathize with your audience when giving a presentation; "step into their shoes"; be them! Then, use that understanding to plan your presentation. However, you can also sympathize with their work situation, especially if it is a difficult one; "understand where they are coming from". This idea of sameness, or similarity is common to both words, empathy and sympathy. How can we differentiate between these words? There are similar elements in both words, and, yes, it can be confusing.

Looking at the etymology might help. Both words are formed from “pathos” the Greek word for emotion. The word sympathy is from syn, "together" + pathos, "feeling", a “fellow feeling”. Others along with yourself are involved in experiencing a community of feelings, typically, a feeling of support for another person, or the feeling that you care about and are sorry about someone else's trouble, grief, misfortune, etc. You feel the same characteristics of the group. You don’t need to feel the actual emotion, but you can imagine what that feeling would be like.
On the other hand, empathy is from en, "in" + pathos, "feeling"; it’s an “in-feeling”, a passion state of emotion, a projection of the quality or emotion viewed in the mind's eye. Empathy IS feeling what others feel, not just understanding what they feel or just giving support. It is feeling the same emotion as the other.
Another way to look at this difference in meanings comes from art appreciation. I am sure we have all experienced listening to our favorite song or have looked at a great artwork and have been moved emotionally. The work of art resonates within us; it somehow defines who we are. We commune with it; we and the art we attend to are one. This is empathy, the viewer's ability to project his personality and feelings into the viewed object.

In other words, getting back to the GLLT presentation situation, when we empathize with our audience, we understand them in a much deeper way than just recognizing their difficult work situations (sympathy). Because empathy is a union of feelings, the presenter adjusts his or her delivery to get the audience to project that feeling back onto the delivered message. The speaker’s passion connects with the audience; the audience feels the passion and projects similar feelings back onto the speaker and the message. This connection is the empathy attained in successful presentations.
If this is still confusing to you, one last way to make this distinction clearer will be as simple as surfing for web images for these words on the Internet. Search “empathy” and you get a wide variety of philosophical sayings, motivational images, and leadership qualities; search “sympathy” and all you get are sympathy cards!

Connecting emotionally is empathy, directly being, or emotional equality; connecting rationally is sympathy, mirroring or duplicating a similarity. From the art example above, empathy is the gift of the appreciation of the experienced passion of beauty; sympathy is the card you send to the one who lacks empathy.

次回は1月中旬に更新予定です。

※John先生が開発したグローバルリーダー向け英語プログラムは、様々なビジネスシチュエーションに特化した英語スキルに焦点をあて、論理性と説得力のある英語力を養成します。
詳細はこちらからお問い合わせください。


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担当教師

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John Mukts (ILC企業研修主任)

国際的な英語教師資格TESOL取得。数々の企業にてビジネスパーソンやグローバルリーダー向け英語研修を20年以上担当。プレゼンテーション・ミーティングなどのビジネスに焦点をおいたILCオリジナルビジネス英語プログラムGLLT(Global Leadership Language Training)の開発にも従事。ビジネスに直結した指導と、ポイントを明確かつ丁寧に教えるティーチングスタイルは、初級者から上級者まで、幅広い受講層から高い評価を得ている。

「あなたならどう英訳しますか?」第3回目:「やむを得ない事情によりご辞退申し上げます。」の訳例

「あなたならどう英訳しますか?」。
日本語特有の表現や英訳しづらい日本語を題材に、英語ネイティブ翻訳者が和文英訳のコツを紹介していきます!

第3回目の課題は「やむを得ない事情によりご辞退申し上げます。」

皆さんどのように英訳されましたか?それでは訳例を見てみましょう!

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訳例:
1. Due to unavoidable circumstances, I regret that I am unable to...
2. Due to unavoidable / unforeseen circumstances, I have no choice but to withdraw from...
3. Because of circumstances beyond my control, I have to pull out of...


1つ目・2つ目の文の「Due to unavoidable circumstances」は日本語の「やむを得ない事情により」を意味します。
直訳すると「避けられない状況のため」となりますが、これは定番の「決まり文句」となっていますので、丁寧な断り方としてよく使われます。
なお、日本語でも英語でも「事情」は普通詳しく書く必要はないですね(相手と中がいい関係の場合以外)

「not able to」と「unable to」の違いですが、「unable to」のほうが丁寧な表現になります。
「not able to」は、スピーキングの場面で「物理的にできない」という意味を表す言葉です。
例えば「I am not able to complete this report today.」=「物理的に今日中にこのレポートを完成させることができない」というような使い方です。
ライティングでは、「unable to」のほうが丁寧です。
「His desk is not tidy.」→「His desk is untidy.」にしたほうが「賢い英語」に聞こえます。

2つ目の文の「unforeseen」は「予測できなかった・予測不可能な」という意味で、
結果的に同じ意味になりますが、もう少し「自分の責任ではない」といったニュアンスが強いと思います。

文の後半として、1つ目の「I regret that I am unable to (attend the research meeting)」は一般的かつ丁寧な表現です。
「自分が参加できないことは残念です」、「参加したかった」というニュアンスは十分に伝わるはずです。

2つ目の「I have no choice but to withdraw from (the research meeting)」という表現は丁寧ですが、1つ目の文ほど丁寧ではない気がします。
「辞退する以外に選択肢がない」というニュアンスですね。
自分より上の立場の人に書く場合は1を勧めますが、2つ目の文も普通に丁寧な表現になります。

3つ目の文は砕けた言い方の例文です。
相手とは仲がいい、年齢または地位があまり相違していない場合は使えますが、
相手と面識がない場合は使わないほうがよいでしょう。
「Because of」は「Due to」より砕けた表現ですし、
そして最後の「pull out of」はかなりカジュアルな表現で、「手を引く・白紙に戻す」というようなニュアンスになります。
仲のいい相手であればまったく問題ないと思いますが、
それ以外の場合はこの「pull out of」は失礼に当たるので、使い方に気をつけてください。

なども使えます。

ダメな英訳例:
Sorry, but I can’t attend the meeting.
あまりにも軽いですね、失礼な言い方です。

Unfortunately, I am not able to attend the meeting.
「Unfortunately,」はまだ少し軽いですね、でも「Sorry」よりまだ少し丁寧です。
「not able to」より「unable to」のほうが丁寧ですね。

Because of a difficult situation, I have to reject my participation in the meeting.
まず、「difficult situation」の意味が不明確で、この状況では英語では使えないですね。
また、「reject」はよく辞書に載っていますが、「reject a proposal」=「提案を受け入れない」という意味合いです。
今回の課題文で使うと「拒否する」という極めて失礼な英語になりますので絶対使わないように!

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