What's new  ILC国際語学センター東京

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主任教師John先生によるミニレッスン:【第7回目】Among と betweenの違いについて

皆さんこんにちは。
ILC国際語学センターです。

John先生のミニレッスン、第7回目は「Among or between?」についてです。

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A common question students have is about the difference between the words among and between. In the previous sentence, the word between was used, and since there were only two words to be compared, we can conclude that the word between is used for two items of comparison. This is common. We use between when we want to express a more specific relation to things and have them considered as individual and usually equal entities.

What about three words? Should we not use between and use among for three words or items?
For example, let`s compare (1) "What is the difference between the words impeccable, immaculate, and ineffable?" and (2) "What is the difference among the words impeccable, immaculate, and ineffable?" The first sentence sounds natural even though we have a list of three words. In addition, the verb "is" indicates that there is only one difference. Between the three words, there should be three differences taken individually paired. The question should be "What are the differences between the three words, impeccable, immaculate, and ineffable, taken individually as two-word pairs?"

Using the word among also sounds good here: "What are the differences among the words impeccable, immaculate, and ineffable?" However, by definition, among is the best word to use when referring to things collectively and imprecisely: "... among the crowd of people." By specifying the actual words and the specific relationships as discrete entities of these 2-word pairs, the word between is probably best to use in the 3-word example.

Then, an example from an English language textbook was given: "I deal with problems of relations between staff." The word staff is a collective noun indicating a group, or the members of the group. Should not the word among be used? Well, now we see the way that these two words can be used almost interchangeably in many cases. Between is used in more general cases too, but not always.
Listen to the way native English speakers use these words, among and between, and follow your communicative instincts.

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※John先生が開発したグローバルリーダー向け英語プログラムは、様々なビジネスシチュエーションに特化した英語スキルに焦点をあて、論理性と説得力のある英語力を養成します。
詳細はこちらからお問い合わせください。

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担当教師

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John Mukts (ILC企業研修主任)

日本での英語教授歴20年以上、数々の企業にてビジネスパーソンやグローバルリーダー向け英語研修を担当。ILCの主任教師としてプレゼンテーション・ミーティングなどのビジネスに焦点をおいたGLLT(Global Leadership Language Training)コース開発やオリジナルテキスト開発に従事。

授業ルポ 「ビジネス文書和文英訳講座」 5回目:挨拶文・スピーチ原稿

皆さんこんにちは。
ILC国際語学センターです。

「ILCの教室では実際どんな授業が行われているのでしょうか?」、「授業や学校の雰囲気がどんな感じか気になる!」という声にお応えして、各翻訳コースの授業の様子をレポートしていきます!

今回は『ビジネス文書和文英訳講座』をご紹介します。

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「ビジネス文書和文英訳講座」は、挨拶文、スピーチ、プレスリリース、パワーポイント資料などを題材に、ビジネス文書の英訳の基本となるスキルを習得する講座です。

課題文の分量はA4用紙で1枚程度。
毎週火曜日に授業があり、受講生には、日曜日までに課題をメールでご提出いただきます。

 

第5回目の課題は、HPやパンフレットなどに掲載される企業社長の挨拶文でした。

 

課題の解説に入る前に、まずトニー先生から注意が促されました。
「ビジネス文書には、絶対に間違えてはいけないものがあります。会社名、人名、日付、金額などは何度もチェックしましょう。これは翻訳だけでなく、英文作成の場合も同様です。」

「また、今回の課題文の中には、”佐藤”という名前が入っていました。昔はsatohとhを入れるのが主流でしたが、現在はSatoとhを入れないのが一般的になっています」といった、固有名詞の表記法などについても言及されました。

続いてトニー先生は、「今回の課題文にはトリックが仕掛けてあります。原文に誤りがあるのに気づきましたか」と受講生に尋ねました。

課題文を注意深く読むと、確かに「2000年でおよそ30億トンであったものが、2015年度で60億トン」とあり、「年」と「年度」が混合して使われています。

「このように原文の単語が統一されていない原稿はよくあります。この場合は、『年度』のほうにfiscal yearを入れて区別すればよいでしょう。原文の間違い探しをするのも翻訳者の責任です。
数字などが合わないときは、発注元に確認するようにしましょう」と実務に臨む際の心がまえについても伝えていました。

 

トニー先生の授業は「生徒参加型」とするために、各受講生への課題の添削は講義当日には配布せず、授業の翌日にメールで返却します。
授業では、指名された受講生がホワイトボードに各々の訳文を書き、それを先生が講評・解説する形で進みます。

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『明らかに』という日本語原文に対し、数名の方が『certainly』や『obviously』を使っていましたが、いずれとも話し言葉で少し砕けた印象を感じます。この場合は『clearly』という表現がよいでしょう」

「『1958年の創業以来、弊社は…』という原文で、『創業』の英訳として『establishment』や『starting』を使われていました。『beginning』は少し弱い表現です。『establishment』は悪くはありませんが、ビジネス文書でよく使われるのは、『our founding』ですので覚えておくとよいでしょう」

「『59年にわたって』という原文に対して『59 long years』という表現を使った方がいました。この英訳のニュアンスは皆さんどのように感じますか。ぱっと見るといいような表現に見えますが、ネイティブから見ると『59年は長かった』というようなネガティブなニュアンスを受けます。この場合は、『over the past 59 years』などの訳が適切です」

「私もofを選びますが、この場合はfromでも可能ですね」

日本人の方が悩む冠詞や前置詞の使い方訳文の微妙なニュアンスの違い英語らしい自然な表現の仕方など、英語ネイティブ翻訳者ならではの要点を押さえた貴重なアドバイスが続きます。
受講生の方は自分の訳文と比べながら、先生の解説に熱心に耳を傾けていました。

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先生からの講評が終わった後に訳例を配布し、今度は課題の文語調の硬い挨拶文をスピーチ原稿に書き換えるというアクティビティーをおこないました。

「このような作業は実は一番大変です。クライアントの中には、英語が得意でない方も多くいらっしゃいます。
スピーチ原稿は、発音しづらい単語や難しい表現をいかにやさしい話し言葉に書き換えるか。これが重点になります。」

トニー先生が実践している英訳プロセスの説明も加えながら、ブレーンストーミングを取り入れた学習になっており、とても印象深い内容になりました。
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受講生の方の感想を一部ご紹介します。

・ビジネス文書はなるべく簡潔な英文であらわすことや、カジュアルさの度合いを意識して文章を作るなどの原則を説明していただけたことが、とても役立ちました。

・先生からの説明をただ聞くという形ではなく、生徒の訳を直しながら解説し、さらに訳例を最後にいただけるという形だったので、英訳の際にどこで引っかかりがちかという自分の傾向がわかりました

・様々なビジネスシーンで使える表現方法、kindやvery muchなど原文にない語を加えるワンランク上の英訳方法口語と文語の英語表現の違いなど、3か月とは思えないほど多くの事を学べました。とても充実した講座です。

・クラスの雰囲気全体も和やかで、自分の失敗をおそれずに参加しやすい空気だったことがありがたかったです。とくに第10回のパワーポイント課題は、受講生それぞれの特徴も面白く、発表形式だったことが非常に有意義でした。

・トニー先生が授業中にも添削の中でも、「いいですね」とコメントして下さったり、次に活かせるようなアドバイスを下さったことがモチベーションにつながりました。

 

★講座情報★
トニー先生が担当する「ビジネス文書和文英訳講座」は、今回ご紹介したように、議事録やビジネスレター、パワーポイントなどの各種ビジネス文書を題材に、和文英訳のノウハウを伝授します。
授業はすべて日本語で解説しますので、翻訳を始めて学習する方でもご受講いただけます。
ぜひご受講をお待ちしております!

講座の詳細はこちら>>
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「文系のためのバイオ医薬系特許/論文翻訳入門シリーズ」 3 【気になるバイオ医薬特許用語】antidote, antitoxin

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文系のためのバイオ医薬系特許/論文翻訳入門(3)「【気になるバイオ医薬特許用語】antidote, antitoxin」

解毒薬(解毒剤)のことを “antidote” と言います。
antidote”に似た表現として、“antitoxin”  があります。

antidote(解毒薬)は、毒物に作用して毒物の毒性作用を中和する薬物です。
アンモニアなどの化学物質のみならず、ミルクや活性炭までもが該当します。

一方、antitoxin(抗毒素)は、抗体です。岩波生物学辞典によれば、
「特定の毒素またはそれを不活化したもの(トキソイド)を抗原としてウマなどの動物を免疫して作らせた通常は毒素を中和する能力のある抗体」です。

“antidote” を語源から解説された文章を紹介します。

『「与える」の doは人間の病気についても活躍します。例えば人間の体の中に毒物が入って細胞を殺してしまうと人間は最終的には死んでしまいます。
この毒物にanti-(反対して)抵抗力を「与える」のがantidote (解毒剤)です。antidoteも与える量によっては単なる「毒」にもなってしまいます。

まずどの位の量の薬を与えるか注意が必要です。そこでdose (服用量)が薬などを「与える適量」を表して使われます。』
(引用: asahi.com 【語源で探る英単語】 http://www.asahi.com/english/weekly/0311/05.html)

解毒剤に関係した特許を調べていたところ、「うっかりミス」して翻訳されたものを発見しました。
特定の分野に精通した翻訳者は、一字一句丁寧に確認しないで、うっかりミスします。
チェッカーや技術者までもが数値や抜けのミスには慎重であっても「翻訳者のうっかりミス」に気がつかない場合があります。
”antidote” (解毒薬) と “antibody” (抗体) 、視覚的に英単語を間違えて捕らえてしまう場合があるようです。
その例を紹介します。

米国出願されたものを翻訳して日本で出願された特許出願公開第2017-043632号(http://patent.conceptsengine.com/p/2017043632)です。

発明の名称では、「抗体」となっていますが、要約書では、「解毒剤に関する」となっています。
気になるので米国出願されたものを調べてみます。

調べ方は、日本国出願されたものに記載されている「優先権主張番号60/976,343」と「優先主張国 米国」から、
Google検索で、「US 60/976,343 patent 」で検索すればヒットします。(https://www.google.ch/patents/US9023796)

タイトルは、”Antidotes for factor XA inhibitors and methods of using the same” となっています。
“Antidotes” を “Anibodies” と読んでしまったのでしょう。

「発明の名称」や「従来技術」での「うっかりミス」は取り返しがつきますが、権利範囲を特定する「特許請求の範囲」の「うっかりミス」は致命傷になります。
“antib—“ や“antid— “で始まる単語、きちんと最後まで読んで意味を確認しましょうね。

antibacterial  抗菌性
antibilious     抗胆汁症の
antibiotic      抗生物質
antidepressant   抗鬱薬
antidiabetic       抗糖尿病薬
antidiuresis        抗利尿

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★講座情報★
染谷先生が担当する「特許翻訳(バイオ・医薬)コース」では、ブログの中にも紹介したように、バイオ・医薬分野の実験方法の解説も行います。
バイオ・医薬分野の学習を初めてされる方でもご受講いただけます。
ぜひご受講をお待ちしております!

特許翻訳(バイオ・医薬)コースの詳細はこちら

証券金融翻訳コース ワークショップ形式の課題についてのご紹介

皆さん、こんにちは。
ILC国際語学センターです。

証券金融翻訳コースは、課題の提出方法が2通りあります。

1つ目は各受講生が先生に課題を提出していただきます。
2つ目はワークショップ形式として、1つの課題を受講生の皆さんで取り組んでいただきます

このグループワークが本コースの特徴の1つですが、実際どのようにグループワークが行われているのかイメージが沸かない方もいらっしゃると思います。
そこで、今回はグループワークの流れを簡単にご紹介させていただきます。

グループワークの大まかな流れは以下の通りになります。
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1)先生から課題配布(1週間前の月曜日)&リーダーによる分担指示
先生が課題を配布するさいに、受講生の1人をリーダーとして指名します。
このリーダーの方にはスケジュール管理訳語の統一受講生皆さんの訳文をまとめるという作業を行っていただきます。
リーダーは持ち回り制になりますので、全員の受講生さんが少なくとも1~2回はリーダーをご担当いただきます。

2)各自下訳を提出し同報メールで全員に送付&メールでグループ・ディスカッション(作業時間:3~4日間)
リーダーからの指示に従い、皆さんには下訳を提出してもらいます。
下訳を提出するさいは宛先:受講生全員、CC:菅原先生とILCを入れてもらい、提出していただきます。
ここで疑問点、不明点をお互いに議論してもらいます。

3)初稿提出(翌火曜日)
リーダーによる責任編集を経て、先生に初稿の訳文を提出してもらいます。

4)授業(木曜日) 
下訳や皆さんのディスカッションのやりとりを踏まえ、先生から講評・解説を行います。

5)最終稿提出(日曜日)
授業でのフィードバックを踏まえて、皆さんに訳文の修正をディスカッションしてもらい、最終稿を先生に提出していただきます。
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もう少しイメージが湧くように、
実際のディスカッションの様子のサンプルをご紹介いたします。

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例)リーダーである受講生Aさんからの最初のご連絡
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To:受講生の皆さんのメールアドレス
CC:菅原先生、ILC

皆様
CC:菅原先生、ILC

お疲れさまです。今回のリーダーを務めるAです。
まだあまり慣れてないので、至らないところがあると思いますが、宜しくお願いいたします。

まず、共通する事項を以下の通り確認しておきたいと思います。
①文体は「である」調で(新聞の論説のイメージ)
②文字のフォントはMS明朝体(10.5)で、英文字の場合Century(10.5)
③句読点は英語表記の場合も含めて、「、」「。」を使用する。
④かっこ「( 」、「 )」は全角を使用する。
➄副詞(「何故」、「専ら」など)、接続詞(「但し」、「従って」など)、
連体詞(「或る」、「斯かる」など)の類いは原則として「ひらがな」表記(ただし、例外もあるかもしれません。)

今回の担当
P1の1~10行目 受講生Bさん
P1の11~20行目 受講生Cさん
P1の21~20行目 受講生Dさん
P1の21~30行目 受講生Eさん
P1の31~36、P2の1~5行目 受講生Fさん

万一、以上の理解で間違っている場合は、ご指摘頂ければ幸甚です。
その他、上記以外で見落としている項目があれば、教えて頂けると助かります。

スケジュールはご都合にあわせて柔軟に変更致しますので、
いつでもご連絡ください。

リーダー Aさん

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例)下訳提出時のやりとり
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To:受講生の皆さんのメールアドレス
CC:菅原先生、ILC

皆様

お疲れ様です、Bです。
私の担当訳をお送りします。

【疑問点】
私が担当したこちらの文章の構造がわかりにくく、訳文がヘンなことになっています。
お知恵を拝借できればと思います。

(原文)
In some cases, policy measures are made up on the fly and without the help of a master plan that imposes the internal consistency needed in such a radical shift in policy regimes.

(下訳)
ある事例においては、政府施策は早急にまとまり、内部調整を必要とする基本計画の助けなしに政策圏内で急激な変化がおこなわれる。

主語policy measures に対する動詞がare made upとare neededの2つと考えたため、
without~consistencyの部分がヘンな日本語のまま浮遊している感じです。
動詞のとらえ方が間違っているのかもしれません。

よろしくお願いします。

受講生Bさん

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例)Bさんの質問に対してDさんからの回答
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To:受講生の皆さんのメールアドレス
CC:菅原先生、ILC

Bさん
お疲れさまです。

たしかに、長くて訳しにくい文章ですね。

全体としての意味は「政策手段が大慌てで、~を欠いたまま作られている」という構造だと思います。
つまり、policy measures(主語)の動詞はare made upだけで、
on the flyとwithout the help of~がこれを修飾していると考えてはいかがでしょうか。

この場合、~以下の部分が長いため、Bさんのようにon the flyの部分を先に訳すのもアリだと思います。
実は、私もそうしました。しかし、「政府施策は早急にまとまり」と自動詞的に訳されているので、少し意味が取りにくくなってしまったのではないでしょうか。
そこで、あえて直訳して「早急にまとめられている」とそのまま他動詞の受身的に訳した方が、全体の意味がつかみやすいのではないかと思われます。

後半のwithout~の部分ですが、needed以下の語はthe internal consistency(国内における整合性)を修飾していると理解すれば、全体の意味が取れるのではないでしょうか。

宜しくお願いいたします。

受講生Dさん

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このようなかたちでディスカッションを行っていきます。
CCに先生も入っていますので、ディスカッションのやりとりにおいても、先生からヒントやアドバイスをお伝えしています。

グループワークを行う理由

このグループワークを行う理由は、「商品としての翻訳」になります。
自分1人では知りえなかったウェブサイトや参考文献などお互いに知の共有を図ることができます。
また、同じクラスの方から自分の訳文についての指摘を受けることができ、
自分の文章を客観的に見直す良い機会となります。

ぜひ4月からの証券金融翻訳コースのご受講をお待ちしております!

証券金融翻訳コース

証券金融翻訳コース担当講師が教えるワンポイント金融翻訳レッスン2

証券金融翻訳コース担当講師が教えるワンポイント金融翻訳レッスン2


証券金融翻訳コースを担当している、菅原栄先生によるワンポイント翻訳レッスン第2弾になります。
今回はもう少し長文に挑戦してみましょう。
1回目はこちらからご覧いただけます。

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【課題2】


Dell: Share Gain Story Intact

■ Dell Meeting Focuses on Share Gains
We just met with Dell management. Talks focused on growth opportunities outside the US. We believe Dell can gain more shares this year, as it is only in the early stages of receiving benefits from disruptions at competitors.

■ Expecting Solid Overseas Growth Again
We believe Dell can continue to benefit from share gains in overseas markets and our model assumes 20% revenue growth in both Europe and Asia-Pacific in 2Q06.
It seems that Dell's model is scaling well in these regions.

■ Valuation: Target $43
Our target price of $43 is based on 20x our FY07 EPS estimate excluding interest income and adding back cash.



実際に翻訳してみましょう。



【ありがちな訳】クリックすると訳文が表示されます。
デル: シェア獲得への強固なシナリオ
■ シェア獲得に着目した会談
デル社経営幹部陣との会談を実施した。内容としては、アメリカ以外の市場での成長を中心に話し合った。我々は、デル社が本年さらなるシェアを獲得できると考えているが、競合他社の不利な状況からデル社が享受できる恩恵は未だ初期段階でしかない。

■ 海外市場における再び堅調な成長の期待
デル社は海外市場においてシェア獲得による利益を出し続けるだろう、また2006年第2四半期では欧州とアジア太平洋両方で20%の収益成長モデルを描いている。デル社のモデルが、これらの地域において非常によく機能していることを示している。

■ 評価額: 目標株価 43ドル
当社のデル社の目標株価43ドルは、2007年度1株当たり利益(EPS)予想に20を乗じて、金利収入を除き、キャッシュを組み入れている。



解説


あまりにも謹厳実直、翻訳調の文章では、だれも最後まで読んでくれず、訳文はその目的を達することができません。正しく理解できたからといって、いつも適切に表現できるとは限りません。求められているのは、メッセージがすっと頭に入ってくるような、読み手重視の文章です。かといって、ことおカネに関するものですので、安易に意訳してしまうと、誤訳が大きなトラブルにつながりかねません。また、万一の場合には、昨今の不祥事にみられるように、法令が厳しく適用されますので、要注意です。


今回は、証券会社による企業調査レポートの表紙部分を想定した課題です。有名銘柄ともなれば、数十社ものアナリストがフォローしており、レポートはひっきりなしに刊行されます。そのなかで、投資家の手に取ってもらうための競争は激烈です。この戦いの最前線となるのが、レポートの顔ともいうべき表紙なのです。いかに要点を簡潔かつ明確に伝えるか、他社との見解の違いを強調するか、知恵を絞る筆者の気持ちになって訳文を磨きあげることが求められます。事実およびその一般的な解釈と筆者の意見をどれだけ鮮やかに対比するかが、訳者の腕の見せどころです。


まず見出しの部分、社名Dellに続く、Share Gain Story Intactは見出し独特の表現で、Share gain story (is) intactの略です。そのあとに続く文でWe believe Dell can gain more shares this yearとあるように、市場シェアを拡大するだろうという意見(story)に変化はない(intact)ということで、強気を保つアナリストのマニフェストです。ここを「強固なシナリオ」としてしまったのでは、そうした姿勢があいまいになってしまいます。


次に、We believeという表現です。調査レポートはアナリストの個人的な意見ではなく、その属する(証券)会社の見解を示すものですから、「我々」ではなく「当社」、「思う」のではなく「見る」「見解である」などとしなくてはいけません。また、reciving benefits from disruptions at competitorsを「競合他社の不利な状況からデル社が享受できる恩恵」とするのは、腑に落ちません。Competitors are disrupted and Dell is benefiting from itと展開して考えたいところです。


さらに、(We) are modeling revenue growth of 20%とDell's model is scaling wellにおける「モデル」の意味の違いが重要です。前者は筆者からみた当社の(収益予想)モデルであるのに対し、後者はデルの(ビジネス)モデルです。その違いを明確にしなければ、文意が誤解される恐れがあります。特に、スケール・メリットを活かしたパソコン直販で大成功したデル・モデルの特徴は、ひとつの時代を画したものであり、知っておきたいところです。こうした知識は一朝一夕では身につきませんから、常にアンテナを立てて、世の中の動きに注意を払いましょう。


最後に、アナリストにとってもっとも重要な見解である目標株価が示されています。ここは株価の水準ばかりでなく、その算出根拠までを読者に理解してもらわなくてはなりませんが、上記「ありがちな訳」の訳文では、計算式があいまいで、再現可能性に欠けています。



【訳例】クリックすると訳文が表示されます。
デル: 市場シェア拡大見通しは変更なし

■ デル経営陣との面談は市場シェア拡大が話題の中心
当社ではデル経営陣と面談、話題は米国外での成長機会が中心だった。競合他社の経営問題がデルに有利に働き始めており、
本年はさらなる市場シェアの拡大が可能と見る。

■ 第2四半期も海外市場シェア拡大を予想
当社ではデルの海外市場シェアは拡大、業績に好影響が続くと予想する。
当社収益モデルでは、2006年度第2四半期につき、欧州、アジア太平洋の両地域においてそれぞれ20%の売上増を想定している。
規模の経済による効果の大きい直販モデルをもとに、デルは同地域で売上、利益ともに順調に伸ばしている。

■ 株価評価: 目標株価43米ドル
当社の目標株価43米ドルは金利収入を除いた2007年1月期予想1株あたり純利益(EPS)を20倍したものに、1株当たりの正味現金を加えたものである。



実務翻訳というと、各分野の専門性から、ついつい個別の用語や知識に気を取られがちですが、顧客の業務、さらにはさらにその先にある社会に直結した金融文書の場合、翻訳を「商品」としてとらえ、「分かりやすさ」という付加価値を創造していくことも、とても重要なポイントだということがご理解いただけたでしょうか。

そして、そのために必要になるのは、知識や経験ばかりではなく、原文のニュアンスを読み洩らさない注意力、読者のハートをつかもうとする熱意でもあるのです。

翻訳の仕事は、顧客があってはじめて存在するものです。これから翻訳家を目指そうという方には、ご自分の訳文を読んでくださる顧客を常にイメージして、その満足度(customer satisfaction)を高める努力を怠らないようにすれば、おのずと道は開けるでしょう。

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◆菅原先生が担当する証券金融翻訳コースの詳細はこちら◆
証券金融翻訳コース

授業ルポ 「ビジネス文書和文英訳講座」 10回目:プレゼンテーション資料

1月から新しく開講した「ビジネス文書 和文英訳講座」が、昨日終了しました。
最後となる10回目では、9回目の課題で扱った取扱書の製品を発表する英語プレゼンテーション資料作成が課題となりました。

今回の課題は、元となる日本語の原稿はなく、英文プレゼンテーション資料を一から受講生の方に作成いただき、授業で実際にプレゼンテーションの実演をしていただきました。

実際に受講生にプレゼンテーションを実演してもらいました。

実際に受講生にプレゼンテーションを実演してもらいました。



同じ製品を紹介するプレゼンテーションでも、各々の受講生によってプレゼンの構成や発表内容はもちろん異なります。受講生の皆さんは他の方のプレゼンテーションの発表に興味をお持ちでいらっしゃいました。

発表後は、お一人お一人のプレゼンテーションの英訳表現について、先生と一緒にディスカッションをおこないました。

授業終了後は、受講生の方と一緒に英訳表現についてディスカッションをおこないました。

授業終了後は、受講生の方と一緒に英訳表現についてディスカッション



3ヶ月間ご受講いただきましてありがとうございました。

「ビジネス文書 和文英訳講座」は、次回は4/18(火)から授業がスタートします。

毎回の課題添削はもちろん、今回のプレゼンテーション実演や授業内での翻訳課題など、受講生参加型の授業になります。
冠詞や前置詞の使い方、適切な動詞の選び方、英語らしい自然な英語の表現の仕方など、英語ネイティブ翻訳者ならではの要点を押さえたアドバイスをおこないます。

和文英訳の翻訳スキルを磨きたいと考えている方はもちろん、
ビジネス英語力を強化したいという方にもご参加いただけます。
ぜひ皆さんのご参加をお待ちしております!

<<ビジネス文書 和文英訳講座>>

授業開始日:4/18(火)
授業時間:火曜 19:00-21:00
回数:全10回

講座の詳細についてはこちら
>>http://www.ilc-japan.com/tokyo/archives/13111

3/18(土)「メディカル翻訳トライアル対策セミナー」を開催しました。

3/18(土)「メディカル翻訳トライアル対策セミナー」を開催いたしました。
ILCの団体トライアルにもご協力いただいている、翻訳会社の方にご講演いただきました。


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セミナーの前半では、最近の動向や受講、翻訳者に求められるスキルについてお話いただきました。の後半では、いくつかの例題を基に、トライアルの採点のポイントや重視する点、トライアルの解答以外にどのような点を評価するのか、など、具体的な解説がありました。実際に問題作成・採点担当者の方のお話を聞く貴重な機会となり、参加者の方も熱心にメモをとっていらっしゃいました。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。


<参加者の方の感想>
「トライアルにおいて課題外で見られていることについても話を聞くことができてよかった」

「トライアルで重視する点やアピールポイントなど、知らないことを教えてもらうことができた」

◆体験レッスンの参加を逃した方必見!◆
翻訳コース体験レッスンビデオ上映会を開催します。
これが最後のチャンスとなりますのでお見逃しなく!
>>http://www.ilc-japan.com/tokyo/trans/demo#tuika

「文系のためのバイオ医薬系特許/論文翻訳入門シリーズ」 2

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文系のためのバイオ医薬系特許/論文翻訳入門(2)

翻訳学習者にとって大切なことは、「自分で調べ、自分で学ぶ」ことです。
特許翻訳で求められる翻訳は、直訳であって直訳ではない翻訳です。
それを学ぶためには、自分で翻訳し、第三者にチェックしてもらい、チェック内容を議論していくことが大切です。

私の考える特許翻訳者は、

単なる「翻訳マシーン」としてではなく、”特許事務所で技術者として明細書作成/中間処理等も従事できる能力を備えた人”です。

なぜなら、特許翻訳の産物は、特許権を得るための手段であるからです。
特許取得後の権利行使をも考えることが大事です。
特許事務所の求める翻訳者/技術者をめざしましょう!

<特許明細書について>
特許翻訳者の方が翻訳する特許明細書は科学論文+αのようなものです。
米国では、論文作成してそれを仮特許出願として出願し、その後、正式の明細書を準備するという方法が採られています。

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特許明細書と科学論文の構成の比較



<バイオテクノロジーの基礎を学習するにはどうしたらいいか?>
体験レッスンや授業でもよく質問されますが、文系出身の方がバイオテクノロジーの基礎を一通り学ぶにはどうしたらいいのでしょうか?
それは、大学で使用されている教科書一冊を一通り読破することです。

「翻訳の現場では教科書なんて必要ではありません。」
「ネットで調べれば十分。」

そんなことを言えるのは、既に科学の素養を身につけた方でしょう。

文系出身の方は、せっかく学習するなら、誰かの指導のもとで、
内容をまとめて説明してもらったり、重要なところを指摘してもらいながら、
教科書の一冊ぐらい、読んでおいたほうがいいように思います。

たしかに、教科書の内容のなかには、実際の翻訳現場では無関係なことも多く含まれます。
しかし、特定の技術だけをつまみ食いするのではなく、教科書を読むって大事です。

それはなぜか?
もちろん、覚えるためではありません。

特定の技術を含む学問全体の流れを大まかに「感じる」ためです。
その学問の言葉の大海を肌で感じるためです。
学問は歴史であり哲学です。教科書は学問の歴史書であり哲学書です。
1つの教科書を幹とし、その幹を飾る枝葉として他の教科書や論文、中高参考書、入門書等に触れる。
そんな時期が半年や1年、あってもいいように思います。

特許翻訳は奥深いものです。
つまみ食い的な学習で特許翻訳ができると感じるようでは、まだ初心者です。
翻訳の際、大きな落とし穴に落ちいる可能性があります。
落とし穴に落ちて気がついてください。

とりあえず、小さな落とし穴の例を挙げます。

<英語に自信がある文系翻訳者であって教科書を一通り学んでいない翻訳者に見られるミスの例>

遺伝子変異に関する基本的な用語の訳にミスが見られます。

deletion, insertion, substitution, duplication

これらの単語は、それぞれ塩基の欠失、挿入、置換、重複 を意味しています。

簡単な単語なので、そのまま単語に関する知識に基づいて、
使用されている背景や意味を考えずに訳しています。

教科書に出てくる基本的な表現を誤ると、
「畑違いの人が翻訳しているな」とすぐ見破られてしまいます。

学習は急がば回れです。
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★講座情報★
染谷先生が担当する「特許翻訳(バイオ・医薬)コース」では、ブログの中にも紹介したように、バイオ・医薬分野の実験方法の解説も行います。
バイオ・医薬分野の学習を初めてされる方でもご受講いただけます。
ぜひご受講をお待ちしております!

特許翻訳(バイオ・医薬)コースの詳細はこちら

特許翻訳(バイオ・医薬) 体験レッスン

<内容>
ノーベル賞を受賞した大隅教授が研究しているオートファジーの特許明細書を題材に、バイオ医薬分野の特許翻訳にチャレンジしてみます。


レッスン日
  • 3/11(土)11:00-12:30
  • 3/18(土)11:30-13:00

担当教師


特許翻訳(バイオ・医薬)コース

ILC専任講師 染谷 悦男 先生

筑波大学大学院生物物理化学専攻。特許事務所で翻訳や特許明細書作成などの実務に従事した後、フリーの特許翻訳者として独立。現在は、バイオ、電子機器、半導体分野を中心に特許翻訳者として活躍。

【コメント】
特許翻訳で主に扱う特許明細書は定型的な文書で、書き方・訳し方のルールが決まっています。その基本はきちんと勉強すれば誰でも体得できるものであり、電気、機械など他分野の特許翻訳に応用することも可能です。

特許翻訳は直訳が基本なので、足したり引いたりしない直訳のやり方も演習を通して身につけます。特許文書というと独特の文章で書かれているというイメージがあるかもしれませんが、最近はどんどんシンプルになり、テクニカルライティングに近い論理的なライティング力が求められるようになっています。直訳でシンプルに訳す特許翻訳の演習を通じてライティング力を磨けば、他分野の技術翻訳などに必ず役立つと思います。
学ぶべきことは多いので、6ヵ月という限られた受講期間中にすべてを網羅することはできません。このため、私は修了後も自分で勉強を続けられる環境をつくってほしいと思い、月に数回、授業の後に修了生、受講生とともに自主的な勉強会を開いています。特許翻訳者、メディカル翻訳者として活躍する修了生もいるので、情報交換をしながら、タテヨコのつながりを深めてほしい。互いに助け合ったり刺激し合ったりできる翻訳者仲間、ネットワークを持つことは仕事を続けていく上で、とても貴重なものになるはずです。

証券金融翻訳コース担当講師が教えるワンポイント金融翻訳レッスン1

証券金融翻訳コース担当講師が教えるワンポイント金融翻訳レッスン1


こんにちは、ILC国際語学センターです。
今回は、証券金融翻訳コースを担当している菅原栄先生による、ワンポイント金融翻訳レッスンをご紹介いたします!
金融翻訳に興味のある方は、ぜひ挑戦してみてください。

finance translation
実務翻訳の分野において、証券金融翻訳のいちばんの特徴はなにかと考えると、翻訳された文章が多くの、場合によっては不特定多数の目に触れる可能性が高いということでしょう。

契約書や特許明細書などは当事者以外が目にすることはまれでしょうが、調査レポート、目論見書、営業資料など証券に関わる文書は、その作成に関わる人たちの枠を超え、広く読まれ、利用されるものです。
こうした幅広い層を対象とした訳文にもっとも求められるものは、一読して文意が正確に伝わる「分かりやすさ」です。

では、どうすれば、分かりやすい訳文を生みだすことができるのでしょうか。論より証拠、いくつかの課題の具体例をみながら、ご一緒に考えていきましょう。


【課題1】


An individual’s stock ownership represents his proportionate ownership, or equity, in a company. If a company issues 100 shares of stock, each share represents identical 1/100, or 1%, ownership position in the company.


実際に翻訳してみましょう!



【ありがちな訳】クリックすると訳文が表示されます。
個人の株式保有は会社における彼の比例所有権、すなわち株主資本を表す。
もし、会社が株式を100株発行したら、各株はその会社の同一の100分の1あるいは1パーセントの所有権を表す。



解説


この原文に、さして難しい語句や表現は見当たりません。しいていえば、proportionateとequityぐらいでしょうか。これとて辞書さえ引けばいくつも訳語が出ていて、その中からもっともらしいものを選ぶのに、さほど苦労はないでしょう。最後に、それらの語句を少し工夫して繋げてやれば翻訳は一丁上がり。上記の訳文はそうした成果物の典型ですが、一読したあと、なにかモヤモヤしたものが残るのはなぜでしょう。


それはずばり、著者の真意が伝わってこないからです。翻訳でまず必要とされるのは、原文を正しく理解することです

ここでいう「正しい理解」とは、“正しい理(すじみち)に沿って、原文を解きほぐしていく”といった意味です。理解できないものを、表現し、伝達できるはずがありません。

この文で理解のポイントとなるのは、stock、equityそしてshare(s)です。これらの単語には、いずれも「株(式)」という訳語がしばしば与えらますが、その本来の意味は、相互に関連しつつも、それぞれ視点の異なるものです。これらを深読みしなければ、著者の言わんとするところは把握できません。辞書に載っている訳語の字面を撫でるのではなく、その言葉の持つ意味の深層に迫らなければならないのです。


それでは、先の3つの単語それぞれについて見ていきましょう。


最初のstockですが、これは蓄えたもの、そして、会社では、次なる飛躍の元手として蓄えたおカネ、いわゆる資本のことです。洋風の基本ダシをsoup stockといいますが、こちらは、おいしいひと皿を生みだす元手、料理の「資本」ですね。
したがって、stock ownershipとは、会社の出資者としての証しである出資証券を保有することという意味になります。

次に、equityについて考えてみましょう。

会社(company)は、“ひとが会して(集まって)、社(グループ)を結成する”のですから、出資者は複数いるのが普通です。すると、お互いの立場を決めておかないと後のちのモメゴトの元。このとき、近世の市民社会は、王権も地位も身分も関係ない平等を求めました。そこで、貴族でも商人でも、出資者たるものは、出資金額に応じた立場、すなわち、proportionate ownershipが保証されました。いわば、おカネのもとでの平等です。そうした立場をまた、衡平法(equity)にもとづく持分、equity ownership、つづめてequityというようになりました。

そして、出資者それぞれのequityを簡単に表すために、彼らの出資金合計である資本金(capital stock)を等分したひと切れ(share)を株式(a share of stock)と呼びならわすようになったのです。

資本主義と株式会社は表裏一体です。その株式会社の中核をなすのが、株式であり株主なのです。
短い一文ですが、こうした深淵な意味が込められているともいえます。


【訳例】クリックすると訳文が表示されます。
投資家にとって、出資証券である株式を保有するということは、その持ち株数に比例した会社の所有権、すなわち持分を手に入れることを意味する。
もし、ある会社の発行済株式数が100株だったとすると、1株あたりの持分は均等で、会社全体の100分の1、すなわち1パーセントである。


◆菅原先生が担当する証券金融翻訳コースの詳細はこちら◆
証券金融翻訳コース

3/11(土)「英訳は怖くない!~英訳術を磨けば機械翻訳の弱点が見える~」を開催しました。

3月11日、『グローバルに活躍するビジネスパーソンのための実践ビジネス英語セミナー』を開催しました。

セッションBは「英訳は怖くない!~英訳術を磨けば機械翻訳の弱点が見える~」でした。

担当教師のアンソニー・フィッシャー先生は英国ケンブリッジ大学・ケンブリッジ大学院を卒業。日本語検定1級を保持。
20年以上にわたり各種ビジネス文書の実務翻訳に従事し、大手企業、官公庁や元官房長官のスピーチ、国務大臣の挨拶の和文英訳経験もお持ちで、
ネイティヴの視点から英語にしづらい日本語の訳し方を丁寧に日本語で教えてくださいます。

「英訳は怖くない!~英訳術を磨けば機械翻訳の弱点が見える~」

「英訳は怖くない!~英訳術を磨けば機械翻訳の弱点が見える~」



前半はビジネスメールで使われる「お忙しいところすみませんが・・・」「微力ながら・・・」「なみなみならぬご指導を頂きまして・・・」といった独特な日本語を受講生の方に実際に英訳してもらい、それをトニー先生が添削。先生の質問に答える受講生の皆さんの声も徐々に大きくなり、活発な質疑応答がかわされていました。

後半は、機械翻訳された英文を元の日本文と照らし合わせて、おかしいところをグループでディスカッションした後、実際に文章を直していきました。
現在の機械翻訳では主語の決定がまだきちんとできない、冠詞が抜けることがあるというトニー先生の指摘があり、人の手によるしっかりした翻訳の必要性を感じました。

英訳は怖くない!~英訳術を磨けば機械翻訳の弱点が見える~

英訳は怖くない!~英訳術を磨けば機械翻訳の弱点が見える~



英訳は怖くない!~英訳術を磨けば機械翻訳の弱点が見える~

英訳は怖くない!~英訳術を磨けば機械翻訳の弱点が見える~



<参加者の声>
・「細かい言葉のニュアンスの違いを知ることができた」
・「ネイティヴからおかしいと感じる英語と、なぜそう感じるのかという理由をご説明いただけました。参加者の活発なやりとりも大変な刺激となりました。」

ビジネス文書 和文英訳講座は毎週火曜日19:00~21:00、4/18に開講いたします。
トニー先生と、1歩進んだビジネス文書を目指しましょう。
皆様のお申込をお待ちしております。

【ビジネス文書 和文英訳講座】
開講日:2017/4/18 (火) 19:00-21:00
回数:全10回
講座の詳細はこちら>>http://www.ilc-japan.com/tokyo/archives/13111

トニー先生によるブログ『あなたならどう英訳しますか?』は第1回目はこちら
>>http://www.ilc-japan.com/tokyo/archives/blog/17481

2017/3/11(土)「最新海外ニュースから時事英語・ビジネス英語を学ぶ!」を開催しました。」を開催しました。

2017年3月11日、『グローバルに活躍するビジネスパーソンのための実践ビジネス英語セミナー』を開催しました。

セッションAは「最新海外ニュースから時事英語・ビジネス英語を学ぶ!」を開催しました。
担当教師のジョン・ムクツ先生は、数々の企業にてビジネスパーソンやグローバルリーダー向け英語研修を20年以上担当した教授経験豊富な先生です。

「最新海外ニュースから時事英語・ビジネス英語を学ぶ!」の様子

「最新海外ニュースから時事英語・ビジネス英語を学ぶ!」の様子



前半では、ニュース記事の読み方のポイントとテクニックについてお話いただきました。
後半では、実際に習ったテクニックを使い、「プレミアムフライデー」や「日本の晩婚化」について記事を読むアクティビティーをおこないました。

実際の業務やビジネス現場では英文読解に多大な時間をかけることはできません。限られた時間の中で正確に読み解くためには、ただ英文を読むのではなく、「Gist(要点)」が何かを推測したうえで読むことが必要だとジョン先生からお話がありました。

「最新海外ニュースから時事英語・ビジネス英語を学ぶ!」の様子2

「最新海外ニュースから時事英語・ビジネス英語を学ぶ!」の様子2



<参加者の声>
・「学習方法を教えてもらい役に立った」
・「本日聞いた内容を早速実践してみたいと思います」

本セミナーで紹介したグローバル・リーダーシップ・ランゲージ・トレーニング(GLLT)コースは、ロジカルディスカッションやミーティング、プレゼンテーションなど様々なビジネスシチュエーションに特化したビジネス英語プログラムです。
論理性と説得力のある英語力を養成します。

詳細はこちら>>グローバル・リーダーシップ・ランゲージ・トレーニング(GLLT)コース

【翻訳コース授業ルポ】特許翻訳(バイオ・医薬)コース

皆さんこんにちは。
ILC国際語学センターです。
「ILCの教室では実際どんな授業が行われているのでしょうか?」、「授業や学校の雰囲気がどんな感じか気になる!」という声にお応えして、各翻訳コースの授業の様子をレポートしていきます!

今回は、特許翻訳(バイオ・医薬)コースを紹介します。

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「特許翻訳(バイオ・医薬)コース」は、バイオ・医薬分野の基礎知識と特許翻訳 のスキルを並行して学ぶ講座です。授業は細胞生物学の講義翻訳演習の二本立てで構成されています。大学でも使用されて いるバイオ分野の入門書や科学誌、特許明細書(和文・英文) などを用いて、一人ひとりのニーズに合わせた指導をしていきます。専門知識がない人も、特許翻訳の初心者も、バイオ・医薬分野の特許翻訳を基礎から学ぶことができます。

今回は、日英翻訳の初回の授業についてレポートします。

今回の翻訳課題は、日本の食品メーカーが特許出願した乳製品およびその製品の製造方法に関する「特許請求の範囲(クレーム)」。これまで英日翻訳の課題に取り組んできた受講生の方々は、特許明細書を英文の構成で書くことにまだ慣れていません。なかでもクレームは、特許特有の表現で書くことが求められ、初学者には難しい課題となります。あらかじめ課題を仕上げて訳文を提出していた受講生たちも、英文の構成の仕方や訳語の選択で大いに悩んでいました。

特許翻訳(バイオ・医薬)コース

特許翻訳(バイオ・医薬)コース授業の様子1



授業では、受講生の訳例に 講評を加えるなかで、染谷先生は頻出する〈 …comprising : …… ;…… .〉の英文構成を丁寧に解説し、「請求項は一文で書く」というクレームの大前提 のルールを詳細に確認していました。

次に話題になったのが、「〜以上」の訳し方です。
この場合の正解は〈equal to or more than〉でしたが、なかには単に〈more than〉とした受講生の訳もあり、「特許明細書は、技術文書であると同時に法律文書です。特許権の権利範囲を定めるクレームは、特に厳密に訳しましょう」と先生から注意を促す場面もがありました。

特許翻訳(バイオ・医薬)コース授業の様子2

特許翻訳(バイオ・医薬)コース授業の様子2



英訳の学習者にとって、訳語の選択は最も頭を悩ますところ。その解決策として、インターネットを使ったフレーズ検索の実演も行われました。「何件ヒットするか、信頼のおけるサイトで使われているか、英語ネイティブが書いたものか、特許文書で使われているかを確認しましょう」と、リサーチの基本とも言うべきアドバイスが繰り返されました。

「科学の英語はシンプル。明細書の形式に慣れてしまえば、日英翻訳は難しくありません」。
初めて特許明細書の日英翻訳を経験した受講生たちも、染谷先生のこの言葉に確かな手応えを感じた様子でした。
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最後に、染谷先生に授業を教えるにあたってのポイントを聞いてみました。

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受講生にはそれぞれ長所や弱点があり、翻訳する時の癖も異なります。私が授業で心がけているのは、こうした各人の個性に目を向けて、最も効果的なアドバイスをすること。翻訳課題の添削も、可能なかぎり個人向けの添削を行いますので、復習などで最大限に活用してください。

特許明細書とは、技術文書であると同時に特許権を取得するための法律文書でもあります。翻訳者には発明の権利化を常に意識する特許技術者としての視点も求められます。本講座を通して、「翻訳のできる特許技術者」を育てていきたいと思っています。

〝バイオ〟や〝医薬〟というと、一見、難しい印象があるかもしれません。
ですが、この分野は技術の進歩がめざましく、過去に積み上げた専門知識に頼るより、新しい知識や情報を得ることのほうが大事な時もあります。そういった意味で、バイオ・医薬特許翻訳は、先入観のない柔軟な感性を持った人にこそ向いている仕事だといえます。

翻訳未経験者にも、他分野でキャリアを積んだ人にも、決して敷居の高い世界ではありません。
バイオ・医薬分野や特許に興味のある方は、ぜひ私の講座で特許翻訳の勉強を始めてみていただければと思います。

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4月開講に向けて、特許翻訳(バイオ・医薬) 体験レッスンを開催します!

<内容>
ノーベル賞を受賞した大隅教授が研究しているオートファジーの特許明細書を題材に、バイオ医薬分野の特許翻訳にチャレンジしてみます。

→特許翻訳(バイオ・医薬)の詳細はこちら

レッスン日
  • 3/11(土)11:00-12:30
  • 3/18(土)11:30-13:00

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