What's new  ILC国際語学センター東京

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ILC東京校 新オフィスに移転いたしました!

10月1日にILCは新しいオフィスに移転いたしました!

移転先は以前のオフィスから徒歩1分ほどの近い場所になります。
駅にさらに近くなり、8番出口を出ていただくとすぐILCの看板が目に入ります。



新校舎はモダンな内装で、落ち着いた雰囲気になっております。











皆様のご来校を新しいオフィスでお待ちしております!

「バイオ特許ってどんなことを翻訳するの?」と疑問に思っている方必見!

バイオ特許翻訳コース担当講師: 染谷悦男先生
 
「バイオ特許」とは、バイオテクノロジー分野の特許です。例えば、京都大の山中伸弥教授が発明したiPS細胞の作製技術の権利も日米に特許申請して特許になりました。

「バイオテクノロジー」とは、生物の持つ機能を人間社会に役立てる技術です。したがって、バイオテクノロジーは、技術分野を問わず、生物の持つ機能が利用する技術であれば、バイオテクノロジーの範疇に含まれます。
例えば、動物や植物を利用した新薬の開発のみならず、生命科学と情報科学を結びつけたバイオインフォマティックス等、いままで生命科学とは無縁だった技術分野の企業でさえも、自社の技術と生命科学とを融合させて、新たなバイオテクノロジー技術を創造しています。

一方、「特許」とは、発明に対して一定期間独占権を与えることで、発明の保護と産業の発展を図る制度です。特許を得るためには、発明を詳細に説明した明細書を提出しなければなりません(「特許出願」)。この書類を通して、発明の進歩性や新規性が審査官により判断され、問題がなければ特許を得ることができます。

したがって、「特許翻訳」とは、明細書の翻訳をおこなうことです。「バイオ特許翻訳」は、バイオテクノロジー分野の特許翻訳です。

では、明細書の内容はどのようなものでしょうか。明細書は、技術文献(論文)としての性格(技術を理解させる)と法律文書としての性格(発明の権利範囲を主張して特許権を得る)を有します。



技術文書(論文)としての性格を有するので、通常の論文と同様に、序論に相当する部分、実験の説明に相当する部分、考察に相当する部分が含まれます。一方、法律文書としての性格は、発明の権利範囲を定める「特許請求の範囲」という、論文にはない項目によって、表されます。

では、バイオテクノロジー分野の特許翻訳をどのように学んだら良いでしょうか。生命科学や特許とは無縁だった人ならば、(1)バイオテクノロジーの中心となる分子生物学の基礎を学び、かつ(2)特許翻訳そのものの基礎を学ぶところから、出発すると良いでしょう。

(1)については、多くの大学で教科書として用いられる「Essential細胞生物学」を通して、細胞レベルでの分子生物学を学ぶとよいでしょう。(2)については、実際の明細書に触れながら、翻訳の訓練をすると良いでしょう。

バイオ特許翻訳は、益々需要が高まる翻訳分野です。翻訳対象となる明細書は、繰り返し部分や類似する部分も多く、他の分野の翻訳に比べて、コストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。

では、バイオ特許翻訳の対象となる明細書の一例を紹介します。京都大の山中伸弥教授が発明したiPS細胞の特許(特許第4183742号)を見てみよう。

(1)特許電子図書館(http://www.ipdl.inpit.go.jp/homepg.ipdl)にアクセス
(2)「特許・実用新案公報DB」をクリック



クリックすると、以下の画面が出てきます。




(3)「文献種別」に「B」を入力し、「文献番号」に「4183742」(半角)を入力します。その後、下にある「文献番号照会」をクリックすると以下の画面が出てきます。




(4)左側にある「特許4183742」をクリックすると、以下の画面が出てきます。




(5)適当なところ(例えば「詳細な説明」)をクリックして明細書の内容を見ることができる。「文献単位PDF表示」をクリックすれば実際の公報を見ることができます。

どうですか?明細書の内容を見ることができましたか?
このほかにも、以下の検索サイトで適当なキーワードを入れて、いろいろな特許を探してみるとよいでしょう。
特許電子図書館(http://www.ipdl.inpit.go.jp/homepg.ipdl)
米国特許データーベース(http://patft.uspto.gov/netahtml/PTO/search-bool.html)


染谷先生が担当する「バイオ特許翻訳コース」は10月13日(土)から受講開始です!
デモレッスン:9月22日(土)13:00~14:30
お申し込みはこちら:https://secure.ilc-japan.com/tokyo/form/demo/

翻訳スペシャルデー開催いたしました!

ILC東京校では、9月9日(日)翻訳スペシャルデーを開催し、第1部では、弁理士であり特許翻訳者として活躍されている奥田百子氏を講師にお招きし、「弁理士・特許翻訳者が語る~求められる特許翻訳者になるには~」という表題で講演をして頂きました。



講演では、最初に奥田氏が弁理士・特許翻訳者としてのキャリアを歩むに至った経緯をお話しいただきました。大学での弁理士という職業との出会いから、国際特許事務所でコレポンの必要性から学校に通いドイツ語を習得されたこと、資格専門学校での講座や企業研修のテキスト作成が文章力向上につながったこと、特許翻訳との出会い、電気の専門学校に2年通い、IT、通信、画像処理などを専門とされていることなど様々なことをお聞かせいただきました。奥田氏のこれまでの様々なご経験、また未知の分野の学習に対する意欲的な姿勢が、弁理士として、また特許翻訳者として幅広いご活躍をされている理由であるという印象を強く受けました。



次に、「よく使う表現Best 10」として、特許翻訳で頻出する英語の10の表現を、それを日本語にする際のコツ・注意点を交えてご紹介いただきました。例えば高校英語でおなじみの“~so that…”「…するように~する」が意外に技術翻訳で使われており、その際は結果を表すように「…である。その結果~である」と和訳されることが多いこと、特許の性質上、権利の範囲を狭めないため“desirably,” “preferably”など「好ましい」に該当する表現やmay「~してもよい」が多用されるなど、一般的な文章中にも見られる表現を、特許翻訳者ならではの視点で解説していただきました。




続いて、特許申請の一連の流れを対応する英語表現を交えてご説明いただきました。その後2011年9月に改正された米国特許法に関して、公表・出願のタイミングによって、米国の先公表主義と組み合わせた先願主義、および日本の先願主義の場合で特許されるか否かについて、例を用いてご説明いただきました。最後に、アップル社とサムスン社の訴訟について簡単にお話しいただき、この結果、特許を巡る訴訟も増えるという見解を示されました。これからの特許翻訳者の仕事として、特許明細書以外に裁判資料の翻訳の需要も高まるので、是非特許翻訳者を目指してくださいと特許翻訳者を目指す方々にエールを頂きました。

全体として、これから「求められる特許翻訳者」とは、進歩する技術に対応する研究熱心さとリサーチスキルをもち、なおかつ法律に関する知識を兼ね備えた人材であり、そのような翻訳者には、特許明細書だけにとどまらず幅広い活躍のチャンスを掴んでいくことができるという印象を強く受けたセミナーでした。

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

【ILC掲載情報】アルク『翻訳通訳のトビラ』にILCが掲載されています。

アルク特集ページ『翻訳 通訳のトビラ』にILCが掲載されています!
メディカル上級を受講された修了生の方のインタビューも載っております。
是非ご覧下さい!ILCが載っているページはこちら

>>メディカル翻訳上級コースについてはこちら

ILC東京校 夏期休業のお知らせ。

ILC東京校ですが8/10(金)-8/17(金)は下記営業時間となります。
期間中のレッスンは、一部の授業を除き、全てお休みとなります。

8/10(金)         9:00-20:00
8/11(土)          10:00-18:00
8/12(日)          休校
8/13(月)          10:00-19:00
8/14(火)          10:00-19:00
8/15(水)          休校
8/16(木)以降 通常営業

休校のさいに頂いたお問合せにつきましては、1営業日以降にお返事させていただきます。どうぞご了承下さい。

バイオ実験ツアーを開催しました!

去る8月5日(日)、例年人気のある「バイオ実験ツアー」を今年も実施いたしました。
今回も、滋慶学園グループの東京医薬専門学校のご協力の下、ILCの在校生・卒業生の方が参加されました。



参加者の皆様からは早速、また次も参加したいとの声を頂きました。また最新のバイオテクノロジーを身近に感じていただける「バイオ実験ツアー」を企画していきたいと思います。お楽しみに!

★合格者にきく!翻訳トライアル合格への勉強方法とは?第6回 メディカル翻訳コース修了生★

translation_trial プロの翻訳者になるためには、避けて通れないのがトライアル合格。
一般的な試験と違って、各会社によって難易度も内容も異なってくるトライアルですが、
いったい皆さんどうやって勉強をされてきたのでしょうか。

そんな皆さんの疑問にお答えすべく、翻訳コースを修了されてトライアルに挑戦・見事合格された方々へ、
合格にあたっての勉強方法などをお聞きしました!

第6回目は、メディカル翻訳コースを修了された方からです。

*メディカル翻訳コース修了生 T.Kさん(女性)*

翻訳会社のトライアル受験に備えてどんな勉強をされましたか?

主に、初級・上級コースで学んだことの復習として、テキストを読み直し、授業で出された課題に再度挑戦してみました。初級コースを終えてから数年が経っていましたので、基礎から復習できた良い機会となりました。また、”New England Journal of Medicine”のアブストラクトの英文・和文の見比べは、月に数本程度行っていました。

苦労した点、大変だと思う点を教えてください。

苦労した点は、やはり、バックグラウンドとなる医学・薬学に関する理解と、その理解があった上での自然な日本語です。医学・薬学に関する知識は、インターネットや書籍で多くの情報を得られましたが、自分が欲しいピンポイントの情報を得られるまでには大分時間を要しました。ただ、ある程度理解ができてくると、こんがらがった糸がほどけるように、情報の断片がつながってくるので、翻訳作業をやっていて楽しくなりました。

フリーランスの1番の魅力を教えてください。

業種を問わず「フリーランス」で動ける一番の魅力は、責任も自分1人で背負う分、その評価も1人で独占できる点かと思います。翻訳力だけでなく、営業力も交渉力も必要で、組織にいる方が楽なように思いますが、翻訳力にもう少し磨きがかかったら、是非挑戦してみたいと思っています。

これから翻訳の勉強を始めようという方に、メッセージまたはアドバイスをお願いします。

私もまだ勉強中の身で、人にアドバイスなどできる立場ではないのですが。。。
翻訳は語学力だけでなく、その分野の知識が必須です。私自身も文系出身で、医学・薬学の難しい内容の文書を読むと、頭が痛くなることがあります(笑)。でも、まだ知らない分野や新しい事を学ぶのが好きな方は、新しい知識が一つ、また一つと増えていく翻訳がきっと好きになると思います。一緒に頑張っていきましょう。

ご協力ありがとうございました!

★合格者にきく!翻訳トライアル合格への勉強方法とは?第5回 契約翻訳コース修了生★

プロの翻訳者になるためには、避けて通れないのがトライアル合格。
一般的な試験と違って、各会社によって難易度も内容も異なってくるトライアルですが、
いったい皆さんどうやって勉強をされてきたのでしょうか。

そんな皆さんの疑問にお答えすべく、翻訳コースを修了されてトライアルに挑戦・見事合格された方々へ、
合格にあたっての勉強方法などをお聞きしました!

第5回目は、契約翻訳コースを修了された方からです。

*契約翻訳コース修了生 M.Nさん(男性)*

Q1.翻訳会社のトライアル受験に備えてどんな勉強をされましたか?
A1.授業の復習を中心に勉強しました。授業ノート、先生のコメント、添削された訳文などを読み直し、理解を深めました。添削で指摘された箇所はノートにまとめて、同じミスを繰り返さないようにしました。
契約書はワンセンテンスが長い文が多いので、Word上で蛍光ペンやアンダーラインを使い、構文を視覚的に明確にしてから訳すようにしていました。訳文を作る作業を繰り返すうちに、自分なりの翻訳手順ができてきたように思います。また、個別カウンセリングを受け学習法のアドバイスを受けたり、トライアル直前には対策セミナーに参加したりしました。

Q2.前職は何をされていましたか?
A1.現在も学習塾で仕事をしています。翻訳一本で生活できるようになることを目標にしています。

Q3.苦労した点、大変だと思う点を教えてください。
A3.先生は、講座を通じて自然な日本語に訳すように強調されていました。これは契約書に限りませんが、英文を直訳すれば必ずぎこちない日本語になりますので、いかに自然な日本語にするかが翻訳の難しいところでもあり、面白いところでもあります。人を主体にする、主語を前に出す、長い文は切って分ける、といったテクニックを、課題を通じて少しずつ身に付けていきました。

Q4.フリーランスの1番の魅力を教えてください。
A4.組織に煩わされることなく、自分が好きなことを中心に仕事ができるということが1番の魅力です。その反面、常に自己研鑽を必要とする厳しい世界だと自覚しています。

Q5.これから翻訳の勉強を始めようという方に、メッセージまたはアドバイスをお願いします。
A5.契約書の翻訳には法律の知識が必要なので、自分には無理なのではとお考えの方もいらっしゃると思います。
確かに契約書の翻訳では、法律の知識が必要になます。私も学習を始めた当初は英米法や法律用語の使い方についてほとんど知りませんでしたので、概説書などを読んで知識を補うように努めました。
ただ、契約書の翻訳は法律の知識があれば、それだけで上手にできるというものでもないと思います。結局、翻訳の力は語学力、日本語力、専門知識、調査能力などの総合的な力で決まります。現在、法律の知識のない方でも、興味があれば、是非チャレンジしていただきたいと思います。

ご協力いただきましてありがとうございました!

★合格者に聞く!翻訳トライアル合格への勉強方法とは?第4回 メディカル翻訳コース修了生★

translation_trial
プロの翻訳者になるためには、避けて通れないのがトライアル合格。
一般的な試験と違って、各会社によって難易度も内容も異なってくるトライアルですが、
いったい皆さんどうやって勉強をされてきたのでしょうか。

そんな皆さんの疑問にお答えすべく、翻訳コースを修了されてトライアルに挑戦・見事合格された方々へ、
合格にあたっての勉強方法などをお聞きしました!

第4回目は、メディカル翻訳コースを修了された方からです。

*メディカル翻訳コース修了生 T.Nさん(女性)*

翻訳会社のトライアル受験に備えてどんな勉強をされましたか?</h2>
メディカル翻訳コースで使用したテキストや配布資料などを読み返しました。

前職は何をされていましたか?

製薬会社の開発部門で治験事務と関連翻訳などをしておりました。(2年程度)

苦労した点、大変だと思う点を教えてください。

なによりも、翻訳する前にまず理解するために必要とされる基礎知識が専門的であること。

フリーランスの1番の魅力を教えてください。

リスクと背中合わせですが、自分自身の努力次第で可能性が広げられること。

これから翻訳の勉強を始めようという方に、メッセージまたはアドバイスをお願いします。

翻訳には専門知識や理解だけではなく翻訳の「技術」が必要とされています。どのような学習方法が合うのかはひとそれぞれと思いますが、まずは情報を幅広く集めてみることをお勧めします。

T.Nさん、ご協力いただきましてありがとうございました!

■ILCの実務翻訳プログラムについてはこちら■
>>実務翻訳プログラム

■T.Nさんが受講されたメディィカル翻訳コースについてはこちら■
>>メディカル翻訳初級コース
>>メディカル翻訳初級コース

★合格者にきく!翻訳トライアル合格への勉強方法とは?第3回 特許日英翻訳コース修了生★

translation_trial プロの翻訳者になるためには、避けて通れないのがトライアル合格。
一般的な試験と違って、各会社によって難易度も内容も異なってくるトライアルですが、
いったい皆さんどうやって勉強をされてきたのでしょうか。

そんな皆さんの疑問にお答えすべく、翻訳コースを修了されてトライアルに挑戦・見事合格された方々へ、
合格にあたっての勉強方法などをお聞きしました!

第3回目は、特許日英翻訳コースを修了された方からです。


*特許日英翻訳コース修了生 S.Kさん(男性)*

トライアル受験に備えてどんな勉強をされましたか?


トライアルで先ず重要なのは形式なので、プロの書式や翻訳コメントの書き方などを勉強しました。次に重要なのは、特許翻訳の様々な約束事を知ることなので、翻訳演習や参考書から約束事を勉強しました。また、翻訳演習ではある程度の物量をこなすことが重要なので、特にクレームの翻訳演習をたくさんこなしました。

前職は何をされていましたか?


長年、電気メーカーの研究開発部門に所属していましたが、3年前に退職しました。特許翻訳の勉強を始めてから、約2年半が経過しました。

苦労した点、大変だと思う点を教えてください。


特許翻訳の世界では経験が重要視され、即戦力レベルでないと、トライアルには合格しないと思われます。たいていの翻訳会社では、トライアル受験の条件として、3~5年の実務経験が要求されています。このため、特許事務所に所属していない人が翻訳者としてこの世界に参入しようとすると、先ず入口で門前払いされるので、かなり高い参入障壁があります。したがって、A1で述べたように、プロレベルと認めてもらえるような努力を意識的にする必要があり、これが最も大変なことだと思いました。
ILCを経由したトライアルでは、実務経験がなくても受験できるので、このことはメリットと言えます。

これから翻訳の勉強を始めようという方に、メッセージまたはアドバイスをお願いします。


自分の経験で言うと、翻訳ツール(辞書類やインターネット検索術、翻訳ソフトなど)を身につけ、翻訳手順を確立することが重要だったと思われます。翻訳手順を確立することで、無駄なことで悩む必要がなくなり、翻訳速度も向上します。基本的な実力は、翻訳の勉強を始めた頃と大きな違いはないと思いますが、見かけの実力は手順を確立したことによってかなり上がったと思います。
私自身は、かなりの数のトライアルを受験し、その多くは不合格でした。これから翻訳の勉強を始めようとする人には、トライアルを恐れずに受験することをお勧めします。不合格になることで、結果的に、実力は上がります。また、翻訳会社によって、出題趣旨や判定基準も異なっていると思われ、相性の問題もないとは言えません。私の感覚では、トライアルに合格するようになるには、時間も含めてある程度の経験が必要であり、根気強く取り組むことが大切と思います。


ご協力いただきましてありがとうございました。
次回はメディカル翻訳コース修了生の声を掲載予定です!

【ILC掲載情報】『English Journal』にILC卒業生が掲載されています。

2012/06/06発売の『English Journal』7月号(アルク出版社)、にILCご卒業生が掲載されています!

翻訳者・通訳者への花道

インタビュー:長谷川 敦子 さん
メディカル翻訳コース修了生

※年齢に関係なく続けられる仕事※
EJ:翻訳者を目指したきっかけを教えて下さい。
長谷川(以下 長):児童書出版社で働いていたところ、会議用に、児童書の一部を翻訳したことがありました。その時に、「この英文にふさわしい日本語はなんだろう」と考えるのが、とても面白かったんです。年齢に関係なく、長く続けられる仕事をずっと探していたので、これだ、と思いました。映像翻訳も含めて、さまざまな分野の翻訳体験レッスンを受けましたが、大学で生物学を専攻していたこともあり、一番興味があってさらに需要も多い、医薬分野の翻訳者を目指すことに決めました。

EJ:翻訳者になるために、どのように英語力や技術を身につけましたか?
長:まず、メディカル翻訳の講座がある学校を探しました。料金と講座内容が条件に合い、コース終了後にトライアル受験(翻訳会社への登録のためのテスト)ができるという点から、ILC国際語学センターに決めました。ほかに、短期講座や通信教育も受けましたね。先生から、プロになるには「英文・和文を合わせて、少なくとも腰の高さくらいまでの量を読みこまないと」と言われたので、在学中から翻訳と校正の仕事を始め、できるだけたくさんの論文や報告書を読むようにしました。

※集中はしても忙殺はされない※
EL:仕事でのこだわりを教えて下さい。
長:翻訳者は、チェッカー、編集者、コーディネーターなどで構成されるプロジェクトチームの一員です。チームとしてよい結果をだすために、自分が担当する「翻訳」で、最高のパフォーマンスができるように努めています。よくわからない点は、丁寧に調べ、著者の意図、発注元の要望に合った翻訳になるよう、心がけています。
また、頭が冴えた状態で仕事ができるように、睡眠や食事に気をつけるほか、仕事のことはすっかり忘れる時間をつくります。仕事には集中しても忙殺されないようにしています。

※言葉に敏感であれ※
EJ:翻訳者に、一番必要なことは何でしょうか。
長:翻訳者は言葉のプロですから、言葉に敏感でなければならないと思います。文章を読んだり、訳したりするときに、これではおかしい、もっと調べる必要がある、という直感は大切です。疑問を解決するためにの確認や調査に十分時間をかけること。仕事でも、翻訳学校の課題でも、一つ一つ丁寧にやっていくこと。その積み重ねが、次の仕事につながっていきます。

★合格者に聞く!翻訳トライアル合格への勉強方法とは?第2回 ビジネス一般文書翻訳コース修了生★

translation_trial
プロの翻訳者になるためには、避けて通れないのがトライアル合格。
一般的な試験と違って、各会社によって難易度も内容も異なってくるトライアルですが、
いったい皆さんどうやって勉強をされてきたのでしょうか。

そんな皆さんの疑問にお答えすべく、翻訳コースを修了されてトライアルに挑戦・見事合格された方々へ、
合格にあたっての勉強方法などをお聞きしました!

第2回目は、ビジネス一般文書翻訳を修了された方からです。

*ビジネス一般文書翻訳コース修了生 川口 豊和さん*

Q1.トライアル受験に備えてどんな勉強をされましたか?

ビジネスのバックグラウンドがありましたので、ビジネス全般を対象とする講座を選択しました。社内文書や広告文、プレスリリース、機器マニュアルなど会社業務全般にわたる幅広い材料を基に、日英、英日両面から翻訳の練習をしてきました。翻訳にあたっては、原文を理解するために綿密な事前リサーチを行うことを習慣としてきました。このため、訳文作成時間の4、5倍の時間をリサーチに費やしたと思います。
現役の翻訳者の講義には翻訳のキーポイントとなることがたくさんありましたので、これを整理してきました。今でも、常に参照するようにしています。また、課題添削で指摘を受けた表現についても自作の「翻訳改善集」(Before and After)にまとめ、その後の翻訳に役立てています。

前職は何をされていましたか?

長年、企業で海外事業展開に携わってきました。仕事の上で英語を使う機会はありましたが、訳す作業をしたことはありませんでした。いまさらながら、翻訳の難しさを実感しています。

苦労した点、大変だと思う点を教えてください。

トライアルの課題文章がどのような性格のものか、また、その文章がどういう人たちを対象としたものかを把握、或いは、想定することが翻訳の出発点になると思います。それによって、原文に極めて忠実に訳すべきか、或いは、原文の意図をくみ取って言い換え、補足、省略が許されるものかどうか、その判断には苦労しました。

次に、トライアル課題の中には専門的な知識を要するものもありましたので、内容の把握に労力を要しました。日本語の単語を英語の単語に(或いは、英語の単語を日本語の単語に)置き換えるだけで済ませることができるかもしれませんが、少なくとも、原文の主題について基礎的な知識を得ておくことが必要だと思います。時間がかかりましたが、むしろ、「急がば回れ」の気持ちで取り組みました。

トライアルでは意図的に誤りが埋め込まれていることもあると聞いていましたので、原文を鵜呑みにせず、リサーチで得た基礎知識や常識を基に原文に矛盾や誤りがないかをチェックすることに神経を使いました。

フリーランスの1番の魅力を教えてください。

翻訳対象分野を専門化することでその分野の翻訳能力を深めることができる一方、その他多くの分野を経験することで知識の幅を広げることができると思います。また、言葉の問題だけではなく、物事に対する関心の幅が広がるようにも思います。

これから翻訳の勉強を始めようという方に、メッセージまたはアドバイスをお願いします。

日英翻訳、英日翻訳ともに日本語の能力がキーとなることを痛感させられています。特段、日本語の勉強をしたことがない人が多いのではないでしょうか。日本語の構造を理解することは、文法の異なる英語の翻訳には大変役立つものと思います。日本語は奥が深いので、原文を読んで直ぐに翻訳に取り掛からないほうが良いと思います。何度も原文を読み、「てにをは」を含め、一語一語、筆者がなぜその言葉を使ったのかを考えることが筆者の意図を正確に把握することになると思います。そうすることで、誤訳を避けることができることは勿論、スムーズな流れの訳文にすることができると思います。

辞書についてですが、和英辞書は参考にする程度が良いと思います。辞書に書いてある日本語の名詞を英語の名詞に置き換えたものはほとんど使えないと考えた方がいいでしょう。名詞を動詞化、動詞を名詞化した表現を身につけることで表現の幅が広がります。また、パラフレーズの練習は頭を柔らかくする上で有効です。

私は翻訳を「大人のパズル」として楽しんでいます。思ったような表現が頭に浮かんだり、選んだ表現が適切であったことを英英辞書で確認できたりした時などは、パズルが解けたような喜びがあります。ぜひ、「大人のパズル」にはまってください。

ご協力いただきましてありがとうございました。
次回は特許日英翻訳コース修了生の声を掲載予定です!

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